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【エマニュエル ウンガロ】アパラシオン(フランシス・クルジャン/フランソワーズ・ キャロン)

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アパラシオン

原名:Apparition
種類:オード・パルファム
ブランド:エマニュエル・ウンガロ
調香師:フランシス・クルジャン、フランソワーズ・ キャロン
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売

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エマニュエル・ウンガロが、徹底的にプロジェクトに参加した香り。

©UNGARO

私にとって、女性とは、夢を見る力を解き放つ存在です。そして、それが私がこのフレグランスで実現しようとしたことです。

私は何よりも、甘いとか砂糖たっぷりのフローラルではなく、スキャンダラスなフローラルを求めていました。少し挑発的なものでなければなりませんでした。

エマニュエル・ウンガロ

クリストバル・バレンシアガの下で6年間働き、1965年に独立し、ファッション・ブランドを創業したエマニュエル・ウンガロ(1933-2019)は、大胆な色と柄を基調としたウンガロ・スタイル(決して黒に迎合せず、セクシーでありながらエレガントを忘れなかった)により〝色彩の魔術師〟と呼ばれました。

そんなウンガロから、彼自身が引退した2004年に発売されたのが「アパラシオン」です。1979年にエルメスの「オー ドランジュ ヴェルト」を手がけたベテラン女性調香師フランソワーズ・ キャロンフランシス・クルジャンにより調香されました。

〝アパラシオン〟とは〝幽霊、亡霊、幻影〟という意味です。ウンガロは、この香りの創造に、自分の〝亡霊〟として、永遠に生きる存在を重ね合わせ、クルジャンとキャロンと何度も会い、仕事風景も見てもらい、ミーティングを重ねました。通常、その概要を伝え、インターパルファムに全て任せるものなのですが、自分自身で陣頭指揮を執り生み出された香りです。

女性のボディ・ラインを想起させる、モザイクのように散りばめられたタイルが斬新なボトル・デザインは、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエのデザインからインスピレーションを得て、シルヴィ・ド・フランスにより作られました。キャンペーン・フォトに登場する女性は、英国のスーパーモデルのジャケッタ・ウィーラー(1981-)です。

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シャンボールリキュールが、ラズベリーミルフィーユに変わっていく。

ジャケッタ・ウィーラー VOGUE2004年4月号。

ピリっと弾けるようなペッパーに導かれ、素肌の上にシャンボール・リキュールがクリーミーに流れていくようにしてこの香りははじまります。ラズベリー・リキュールで磨き上げられたスリリングな香りが広がってゆきます。

すぐにフルーティな甘さが特徴的なダブルデイライト・ローズとパッションフラワーが加わり、ラズベリージャムのミルフィーユに、全身が挟み込まれていくような贅沢な甘さに包まれてゆきます。

やがて、(パウダリーなアーモンドのような)ヘリオトロープ、バニラ、パチョリ、トンカビーンと溶け込み、ラズベリーとひとまとめになり、ミステリアスな温かい大人の余韻で心地よく酔わせてくれるのです。

最後のウンガロに相応しい、エレガントなフルーツパチョリの佳作です。

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香水データ

香水名:アパラシオン
原名:Apparition
種類:オード・パルファム
ブランド:エマニュエル・ウンガロ
調香師:フランシス・クルジャン、フランソワーズ・ キャロン
発表年:2004年
対象性別:女性
価格:日本未発売


トップノート:ラズベリーリキュール、カイエンペッパー
ミドルノート:パッションフラワー、ローズ
ラストノート:パチョリ、ヘリオトロープ、バニラ、アンバー、トンカビーン