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【ディプティック】ロンブル ダン ロー オードパルファン(セルジュ・カルギーヌ)

ディプティック
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ロンブル ダン ロー オードパルファン

原名:L’Ombre Dans L’Eau Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:セルジュ・カルギーヌ
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック

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新緑の中から現れるフルーティローズ

©Diptyque

ディプティックから、1983年に発売された「ロンブル ダン ロー」(オード・トワレ EDT)は、世界初のフルーティーなフローラルノートの香水のひとつと言われています。フラゴナールの調香師セルジュ・カルギーヌにより調香されました。

「ロンブル ダン ロー」とは、フランス語で「水面の影」という意味です。ディプティックでもロングセラーのこの香りのオード・パルファム版が2012年に発売されました。

まず最初にEDT版とこのEDP版の違いを端的に表現するならば、それは、明るい新緑の楽園と、神秘的なローズが咲く秘密の花園の違いです。

ブラックカラント・リーフというよりは、針葉樹林=テレビン油のような香りを放つシャープなトマトの葉が、ローズの魂を呼び覚ますように、新緑の生命感を解き放つようにしてこの香りははじまります。とても激しいグリーンノートです。

やがて、ブラックカラントのフルーティーなそよ風に乗って(途中で甘くて苦味のあるプチグレンも合流)、ローズらしき芳香が現れます。そのフルーティローズに誘われるように歩みを進めると、薄靄に包まれた苔と樹木の中から、ダマスクローズが静かに咲き誇る一角に到達するのです。

太陽の光や新緑からほんの少しだけ離れた場所にあるアーシィーかつシャープなダマスクローズの一群は、棘をより精悍に磨き上げ、(刈り取った草のような)葉と茎に並々ならぬ生命感を漂わせながら、ミステリアスな透き通るような凛々しい香りを放ちます。

EDT版が遠くからダマスクローズの香りに包まれる喜びであるならば、こちらは、ついついダマスクローズの花弁に鼻先を突っ込んでしまい、その透き通るような魅力に絡め取られる喜びのようです。

だんだんと合成ムスクとイソEスーパーが存在を増していくのですが、EDP版の楽しさは、このムスク=Eスーパーがあなたの肌に、フルーティローズ、フルーティグリーン、ただのグリーンのいずれかの審判を下してくれる所にあります。

EDP版には、この審判を毎回楽しむことが出来るメリットがあるとも言えます。日によって、新緑のトンネルを越えると、そこは一面ダマスクローズだったという日も生まれる楽しみと期待感に満ちた香りです。

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香水データ

香水名:ロンブル ダン ロー オードパルファン
原名:L’Ombre Dans L’Eau Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:セルジュ・カルギーヌ
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック


トップノート:ブラックカラント・リーフ
ミドルノート:ダマスクローズ、ブラックカラント
ラストノート:ムスク