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【オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー】ニンフとさそり(アニック・メナード)

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ニンフとさそり

原名:Nymph with the Scorpion
種類:オード・パルファム
ブランド:オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー
調香師:アニック・メナード
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/21,000円

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いいえ私はさそり座の女

©OFFICINE UNIVERSELLE BULY

©OFFICINE UNIVERSELLE BULY

フランスという国の偉大さは、まさにこの企画にあります。ルーブル美術館が、芸術を香りで表現してもらおうと考えたのです。

そして、そのために8人の調香師が選ばれ、閉館後のルーブル美術館に集結したのでした。「さぁ、私が調香してみたいテーマをお選びください」という掛け声の下で、前代未聞の芸術を香りで表現する「ルーブルコレクション」がスタートしたのでした。

このコレクションのためにアニック・メナードが選んだ作品は、実に彼女らしいロレンツォ・バルトリーニ作「ニンフと蠍(さそり)」でした。それは少女が浴槽から出た瞬間、さそりに刺され、痛がりながらも、その後にやってくる毒に対する怖れの表情を捉えている作品でした。

さすが、アニック・メナードです。彼女は、遂に「恐怖」を香りにしようと考えたのでした。

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恐怖さえも香りにする調香師




イタリア・フィレンツェの彫刻家ロレンツォ・バルトリーニ(1977-1850)が1835年に大理石で作り上げた全裸の少女像の名を「ニンフと蠍(さそり)」と申します。それは新古典主義からは逸脱したより自然な少女の姿を、大理石の中に封じ込めた「生きる石」でした。

この少女像を背中越しに逆光で見たときに、アニック・メナードは「これだ!」と直感しました。そして、彼女は、まずは光り輝く大理石を、マンダリンとアルデハイドのブレンドで表現しました。さらに大理石の肉体には、水銀の血が宿るはずだと想像し、コリアンダーでメタリックな香り立ちを生み出しました。

最後に、少女の若さをムスクで表現し、蠍の毒は、ビターアーモンドで描きました。アルコールやエタノールを一切使用しない水性香水の特性を見事に生かした調香です。

さて、少女を一刺ししたさそりとは一体何を意味するのでしょうか?処女を奪う男根?大人びる自分自身への怖れ?恋のキューピットの矢?いいえ、そうじゃない!このさそりは、アニック・メナードなのです。さぁ、香りに刺されてください。この香りは、史上初めて、恐怖を香りにしたフレグランスなのです。

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香水データ

香水名:ニンフとさそり
原名:Nymph with the Scorpion
種類:オード・パルファム
ブランド:オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー
調香師:アニック・メナード
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/21,000円


トップノート:アルデハイド、マンダリンオレンジ
ミドルノート:ジャスミン、ビターアーモンド
ラストノート:コリアンダー、ムスク