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ゲラン

【ゲラン】ルール ドゥ ニュイ(ティエリー・ワッサー)

ゲラン
©GUERLAIN
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ルール ドゥ ニュイ

原名:L’Heure de Nuit
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:125ml/36,960円

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人工光に照らし出された21世紀の「ルール ブルー」

カミーユ・ピサロ『夜のモンマルトル大通り』1897年。

ゲランの名香アーカイブから復刻した「パトリモワンヌ コレクション(レ パリジェンヌ・コレクション) 」より、ゲラン創業190周年を記念し、2018年10月1日から発売された「ルール ドゥ ニュイ」は、フランス語で「夜の時間」を意味します。

フローラル・ウッディー・ムスクのこの香りは、もともとは1912年にジャック・ゲランにより生み出された「ルール ブルー」の100周年記念として、2012年にティエリー・ワッサーが再解釈した香りです。

「ルール ブルー」の水彩画バージョンとして、印象派の絵画からインスピレーションを得た香りです。「夜の時間」とは、芸術家の街モンマルトルにおいて夕方から夜へと移り変わる、神秘的な〝ブルーのひと時〟を意味します。

この喩えは賛否両論あるでしょうが、この香りを日本に置き換えると、〝銀座の夜〟〝心斎橋の夜〟という仕事が終わり、夜のネオンが美しい街を友人(または恋人)と合流して歩く至福のひと時をイメージさせる香りとも言えます。

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海のように生温かくリズミカルな青い夜の香り


「夜の時間」のはじまりは、フレッシュなベルガモットにスパイシーなアニスが溶け込む「ルール ブルー」風のはじまりに、夕陽のようなピーチがトロリと絡み合いはじまります。背景に存在するホワイトムスクとアイリスのパウダリーさが、フルーティーな甘さを控えめな方向に、舵取りしています。

やがて甘いオレンジ・ブロッサム(カーネーションとヴァイオレットの代わりに)がキラキラと輝きながらトップノートに加わり、バニラとサンダルウッドが存在感を増す中、円やかなパウダリースイートな香りとなります。

そして、アーモンドのようなパウダリーなヘリオトロープに優しく包まれながら華やかなローズとジャスミンが、アイリスと共に、クリーミー・パウダリーな夜を運んでくれます。

全体的にはっきりとした香りの色彩はなく、ぼんやりとした「ルール ブルー」です。実際のところ、上記の香りが混在とするところに、両方の〝香りの魅力〟の共通点はあります。

それはまるで海のように生温かくリズミカルな青い夜の中で、陶酔を誘う香りとも言えます。

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香水データ

香水名:ルール ドゥ ニュイ
原名:L’Heure de Nuit
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:125ml/36,960円


トップノート:ベルガモット、アニス、ピーチ
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、ジャスミン、ローズ
ラストノート:バニラ、アイリス、ヘリオトロープ、ホワイトムスク、サンダルウッド