212セクシーメン
原名:212 Sexy Men
種類:オード・トワレ
ブランド: キャロライナ・ヘレラ
調香師:アルベルト・モリヤス、ロセンド・マチュー
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:不明
〝夕陽が俺を呼んでいる〟的、ミステリアスな男性の香り
キャロライナ・ヘレラ(キャロリーナ ヘレラ)は、1981年に当時のヴォーグ編集長ダイアナ・ヴリーランドの後押しで、コレクションを発表したことから、ファッション・ブランドとしてスタートすることになりました。
その後、プーチ社にライセンスを供与し、はじめてのフレグランスを発表したのは1988年のことでした。そして、娘であるキャロリーナ・ ヘレラ・デ・バエズが、1996年にフレグランス部門のクリエイティブ・ディレクターになり、1997年に「212」を発表しました。
時代は世紀末を迎え、「若者向けフレグランス」ブームに沸いていました。そんな時代の流れを見事に捉えた「212」は大ヒットし、その2年後の1999年に、同じ調香師であるアルベルト・モリヤスと、2017年から自身の名を冠したメゾン・フレグランスを展開しているロセンド・マチュー、エスティ・ローダーの秘蔵っ子・アン・ゴットリーブによる合作で生み出された「212メン」が発表されたのでした。
そして、さらに7年の年月を経て、「212メン」は〝セクシーな男〟=オリエンタルバニラの香りになって戻ってきたのでした。「212セクシーメン」の誕生です。
女性がベッドのシーツに残して欲しい男性の香り
夕暮れの摩天楼が、マンダリン・オレンジのようなオレンジ色の太陽に支配された時、男はミステリアスなエネルギーを、静かにチャージすることになります。あまりにも熱くなりすぎないようにひんやりと苦味のあるベルガモットが加えられます。穏やかに微笑むシトラスのようなはじまりです。
すぐにグリーンノートがアロマティックなフレッシュ感を追加させながら、減退してゆくシトラスと入れ替わるように、カルダモンとペッパーと(ローズのように)軽やかなパウダリーフローラルがメンズ・フレグランスとしては非常に珍しい共犯関係を築いてゆくのです。この香りのポイントは、すぐに存在感を表すベースのバニラです。
やがて、レザーのようなスモーキーなガイアックウッドとクリーミーなサンダルウッド、そして、スパイシーバニラの甘さを引き立てるようにアンバーとムスクに全てが支配されていく中、〝夕陽は俺を呼んでるぜ〟というこっぱずかしい言葉すら許される魅力的な男性が漂わせる、キング・オブ・クールの余韻に包まれていくのです。
どこからともなくやって来る体臭のようなクミンのような仄かな香りが、チャージしたエネルギーを夜に向けて発散する〝狼〟への変身を予感させます。つまりは、女性がベッドのシーツに残して欲しい男性の香りとなります。
ジャン=ポール・ゴルチエの「ル マル」とよく比較される香りです。そして、都市伝説において、この二つをブレンドすると〝キング・オブ・フェロモン〟が誕生するらしい。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「「ゴルチエ2」のカレー味。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:212セクシーメン
原名:212 Sexy Men
種類:オード・トワレ
ブランド: キャロライナ・ヘレラ
調香師:アルベルト・モリヤス、ロセンド・マチュー
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:不明
トップノート:マンダリン・オレンジ、ベルガモット、グリーンノート
ミドルノート:カルダモン、フラワー、ペッパー
ラストノート:バニラ、サンダルウッド、ガイアックウッド、ムスク、アンバー、トンカビーン