ミルラ & トンカ コロン インテンス
原名:Myrrh & Tonka Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:マティルデ・ビジャウイ
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
「世界一美しい裸の民族」ヒンバ族の香り
ナミビアといえば、砂丘と砂漠の、あたたかな色彩が広がる場所、はるか遠くの見知らぬ国への憧憬が湧きあがります。ミルラとトンカビーンは、退廃的で魅力的、希少性もあり、華やか。新しいコロン・インテンスのコンセプトにぴったりだと思いました。
セリーヌ・ルー
2016年12月に発売された「ミルラ & トンカ コロン インテンス」は、廃盤されたものも含めると、コロン・インテンス第十一弾となります。このとてつもなく幻想的かつ官能的(しかも中毒性あり)なスパイシー・ウッディな香りは、マティルデ・ビジャウイにより調香されました(彼女にとってはじめてのJMLの香り)。
それはクリエイティブ・ディレクターのセリーヌ・ルーのナミビアに対する憧憬を香りにしたものです。つまりは「アフリカ大陸=暗黒大陸に対する憧れの香り」です。
世界がどれだけ昔よりも狭く感じようとも現代においても、日本人のほとんどはアフリカ大陸に行くことはなく、遠い彼方にある暗黒大陸です。そんなアフリカ大陸の南西部に位置するナミビアは日本の2倍の国土を持つ年間300日が晴天の国です(ブッシュマンことニカウの国)。
ナミビアが西欧人にとって人気がある理由は、治安がアフリカ大陸の国々の中でもずば抜けて良く、温和な国民性かつ比較的裕福なところにあります。そして、圧倒させる風光明媚な場所が非常に多く、なかでも世界最古の砂漠と言われているナミブ砂漠は、酸化鉄の影響で赤く変色した砂により〝赤い砂漠〟と呼ばれています。
さらに、かの地には「世界一美しい裸の民族」ヒンバ族も住んでいます。
そんなナミビアを象徴する香料であるミルラと何を組み合わせるのか?という所からこの香りの創造の旅は始まりました。柑橘類、ドライウッド、ドライフルーツとの組み合わせをことごとく試すもうまくいかず、最終的に、マティルデのお気に入りの香料であるトンカビーンを組み合わせるというアイデアにより、ミルラのバルサミックな側面が引き出されることになったのでした。
ミルラの魅力を限界まで突き詰めたハイブリッドミルラの香り
調香するにあたり、男性と女性に対してアピールする中毒性と肉欲の雰囲気を存在させることに注意を払いました。トップから、颯爽とした心地よさの中に、肉感的な魔性を秘めたラベンダーとフローラル・ノートが現れます。やがて、主役のミルラが、トンカビーンにエスコートされながら官能的に現れ、魅惑の香りに身も心も包まれていくのです。
マティルデ・ビジャウイ
この香りは、シナモンの効用を応用しハーバルな側面が強調された(蜂蜜とカンファーのアクセントも併せ持つ)フレンチラベンダーからはじまります。
すぐに、シプリオルを効果的に使用した、(手摘みされた、豊かで力強いナミビアの)ミルラとトンカビーンの抑制された甘さが、抑えきれない欲望を押さえつけるような官能性を感じさせます。
ミルラは通常フレッシュかつレモンぽさが強調されるのですが、ナミビア産のミルラは、他のアフリカ産のミルラに比べて、ユニークで温かみがあります。そのミルラをMANE社のセルジュ・マジョリエールの協力により(「レア ティー コレクション」)、独自のハイブリッド溶媒抽出プロセスにより、更にリコリスと官能性を感じさせる温かみを増すようにしました。
そこにもうひとつ蒸留法で抽出されたミルラの精油がブレンドされ、ミルラの香りに奥行きを与えています。
そして、コクのあるバニラとアーモンド、さらにガイアックウッドによって、魅惑のスモークでミルラとトンカビーンを包み込んでいきます。まるで「さぁ、あなたの抑圧された扉を開きなさい」と囁いているようです。
基本的に最初から最後までミルラとトンカビーンの二重奏が奏でられる、官能の煙の中で身も心も燻し出されるような香りです(もしくは純化される香り)。
香水データ
香水名:ミルラ & トンカ コロン インテンス
原名:Myrrh & Tonka Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:マティルデ・ビジャウイ
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
トップノート:フレンチ・ラベンダー
ミドルノート:オムンビリミルラ
ラストノート:バニラ、トンカビーン、アーモンド