ルール オゼ
原名:L’Heure Osee V
種類:オード・パルファム
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml /39,435円
公式ホームページ:カルティエ
13まで数字が存在する〝香りの時計盤〟の『5』の香り
何年も前から人々に〝カルティエのローズ〟を創らないのですか?と尋ねられてきました。でも私にとってローズはカルティエの花だと思いませんでした。あまりに古典的で、あまりにロマンチックで、あまりにあざとくて、あまりに陳腐で、あまりにありふれた花だからです。
さらに言うと、咲き誇るローズよりも枯れたローズを感じさせる香りになりやすく、ローズは私にとって古典主義的で退屈極まりない花なのです。
そんな私の中のローズに対する固定観念を突き破るためにこのシリーズを何年もかけて生み出しました。ローズの香りに付きまとう決まり文句を一掃して、ロマンティシズムを覆い隠し、ありのままの、手のつけられていないローズ、性別がないローズ、不遜で、横柄で、野性的でパンクなローズの三種類のローズの香りを生み出すことに挑戦したのでした。でありながらカルティエのエレガンスもしっかりと兼ね備えていることに細心の注意を払いました。
マチルド・ローラン
ハイジュエリー・ブランド、カルティエが、2021年2月12日に発表した〝I Only Love Wild Roses(私は野バラしか愛せない)〟と銘打たれたローズ三部作のうちのひとつとして「ルール オゼ」は、「ウード & ピンク」「ピュール ローズ」と共に発表されました。カルティエの専属調香師マチルド・ローランにより調香されました。
2009年からスタートしたコレクション「レ ズール ドゥ パルファン〝香水の時間〟」は、通常の12までではなく、13まで数字が存在する〝香りの時計盤〟です。13の親密な香りを表現する13の時間。それはかつて経験したことがある感情への道しるべのように全感覚に広がる〝香りのアート〟のコレクションなのです。〝ルール オゼ=大胆な時間〟は、そのうちの数字の〝5(ビックリマーク)〟が振り当てられている香りです。
野生のローズが花開く瞬間をとらえたという〝パンク・ローズ〟の香りは、キティちゃんを想わせる、少女のようなキュートなパステルピンクではなく、アンディ・ウォーホルが描いた肖像画を連想させる、大胆不敵で前代未聞のビビッドピンクの香りです。
ハイジュエリーをポップアートのように身に着ける斬新な発想を、香りの世界にまで適応した〝見えない宝石のポップアート〟とも言える大胆不敵なピンクローズの香りです。
真夜中に磨き上げられたローズの魔性の輝き
私は、まるで初めてローズの香りを嗅ぐような感覚になる香りを生み出したいと思いました。この大胆なローズの香りは肌の上で肉欲的な花を咲かせ、命を吹き込む。ローズを身につけないと誓った人のためのローズであり、ステレオタイプへの究極の挑戦なのです。
マチルド・ローラン
午前5時の時が刻まれるとき、カルティエの野生のローズが花開きます。真夜中に磨き上げられた花びらが、朝露を含み、ビビッドピンクに輝いています。そんなフレッシュで生き生きとしたピンクシャワーを全身に浴びるような感覚からこの香りははじまります。
まるで同じように闇夜に磨き上げられたあなたの素肌が〝宝石のきらめき〟で目覚めるように、〝カルティエローズのきらめき〟で目を覚ますようです。
そんなどこかコカコーラのようでありながら、ストロベリーとイランイランを感じさせるスカッとさわやかな甘さの中から、颯爽とみずみずしいローズウォーターが素肌の上を駆け抜けてゆくのです。
そして、ムスキーローズとジャミーローズとパウダリーローズのコントラストが生み出す、無邪気さと大胆不敵さと気高さがひとまとめにされた、〝真夜中に磨き上げられたローズの魔性の輝き〟が花を開かせるように、素肌に浸透していくのです。
あれほど興味のなかったもの、嫌いだったものが、自分の肉体の一部になる感覚。愛の感情を信じなかった人が、愛することを知る、そんな瞬間を全身で毎日〝ビックリ〟感じ取ることのできる〝失われた帝国を見つけ出すように、失われた感情を呼び覚ます、見えない宝石〟なのです。
香水データ
香水名:ルール オゼ
原名:L’Heure Osee V
種類:オード・パルファム
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml /39,435円
公式ホームページ:カルティエ
シングルノート:ワイルドローズ、ブルガリアンローズ