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【ディースクエアード】ワイルド(アニック・メナード/ダフネ・ブジェ)

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ワイルド

原名:Wild
種類:オード・トワレ
ブランド:ディースクエアード
調香師:アニック・メナード、ダフネ・ブジェ
発表年:2014年(廃盤)
対象性別:男性
価格:日本未発売

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〝18禁香水〟〝トリプルX・フレグランス〟と勘違いしてしまう香り

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2014年9月に発売されたディースクエアードのメンズ・フレグランス「ワイルド」は、一般的な社会概念の中で、小さく纏まらないで自由に生きる男をテーマにした香りです。

ファッション・フォトグラファー、スティーヴン・クラインによるキャンペーン・フィルムがこの香りのテーマが、〝馬力のある男〟=こんな男に一晩中メロメロに骨抜きにされたいというメッセージ性があることを伝えてくれます。

ダン・ケイティンは、この香りについて「コンドームなしのセックス」というとんでもない表現で言及していました。ボトルにハーネスのついたビザールチックなデザインもそのテーマに合致しています。

〝18禁香水〟〝トリプルX・フレグランス〟と形容したいこの香りの面白さは、馬小屋の干し草の上でセックス、それも男と女のセックスではなく、男と男のセックスがイメージの香りを、二人の女性調香師アニック・メナードダフネ・ブジェにより、創造されたところにあります。

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真の名前は「ディースクエアード・スポーツ」

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「ワイルド」という概念を表現するために、温かみのある樹脂やウッドといった、原始的で力強い香りの素材を使用することを考えました。これらの深みのある香りは、アンブロックスのミネラル感によって輝きを増し、官能的で現代的な男らしさと力強さを醸し出しています。

アニック・メナード

この香水にアニマリックで官能的な側面を与えるネオラブダナム・ノートを通して、〝荒野〟という概念を表現したかったのです。一方、洗練されたサントリナの爽やかさは、ブランドのエレガントな精神を呼び起こします。

ダフネ・ブジェ

実際の所、とんでもなく生々しい、精液の香りさえもする「野生の男の香り」ではなく、「開放されたフェロモンを、やさしい微笑みと共に、ゆったりと広がらせていく優雅な男性の香り」です。

この香りは、薄暗い馬小屋からはじまりません。明るく爽やかなオレンジと酸味のきいたレモンのようなフレッシュなセイヨウオトギリのうっとりするようなハーモニーからはじまります。まさに太陽に愛される男のきらめくオーラが解き放たれていくようです。

すぐに太陽の輝きが、アンバーの森の煌めきで更なるきらめきを与えてゆきます。アンバーの輝きの下、サントリナのハーバルな清涼感とアーシィーな土壌の匂いが加わり、独特なシトラスとハーブの調和で包み込んでくれます。

やがて木とハーブとスパイスの万華鏡のような滑らかなサイプレスと、ソルティスモーキーなラブダナムとオポポナックスが甘く透き通る、大地から立ち上る〝大自然のアイスティー〟のような、心地良いウッディの余韻で満たしてくれます。

シトラスからウッディへと加速していく、甘めのスポーツ・フレグランスです。正式名称をつけるならば、「ディースクエアード・スポーツ」が正しいように感じます。

〝変態フレグランス〟という誤解を与えてしまう、キャンペーンとボトルデザインゆえに、ヒットせず、速やかに廃盤の流れを辿ってゆきました。

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香水データ

香水名:ワイルド
原名:Wild
種類:オード・トワレ
ブランド:ディースクエアード
調香師:アニック・メナード、ダフネ・ブジェ
発表年:2014年(廃盤)
対象性別:男性
価格:日本未発売


シングルノート:オポポナックス、ラブダナム、サイプレス、アンバー、土壌、セイヨウオトギリ、サントリナ