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スティーブ・マックイーン

スティーブ・マックイーン4 『大脱走』2(2ページ)

スティーブ・マックイーン
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そして、トライアンフTR6トロフィーが登場する!

マックイーンが脱走に失敗した瞬間、アメリカン・ニューシネマの卵は産み落とされた。

トライアンフTR6トロフィーに乗るマックイーン。

撮影は、1962年6月4日から10月にかけて行われました。

何よりも素晴らしいのは、その背景に聳えるアルプスの山々。

映画と同じシャツとブーツに、ブルージーンズ姿のマックイーン。

世界一バイクの似合う男=スティーブ・マックイーン。

本作によって、スティーブ・マックイーンが永遠のスタイル・アイコンになったのは、『乱暴者』(1953)のマーロン・ブランド以上に、モーターサイクルを、男の魅力を引き立たせるアイテムとして、見事に活用したところにあります。それは、ヒルツは、当初列車に乗って逃げる予定だったのを、マックイーン自身がバイクで逃げることを提案して実現したことだったのです。

ちなみに公開当時、マックイーン自身が全てのバイク・スタントを行ったと宣伝されたのですが、実際は、保険の問題もあり、彼の友人のバイク仲間バド・イーキンズ(後に『ブリット』にてマックイーンのダブルを務める)が鉄条網越えのジャンプなどごく一部のシーンを代行しました(マックイーン自身はその事実を堂々と公言していた)。もっとも一部のドイツ軍の追跡シーンでは、ドイツのスタントマンよりもバイクの扱いの上手いマックイーンが運転しており、自分を自分自身で追いかけているシーンが生まれています。

さらにほぼ全編に渡りヒルツが着用しているスウェットシャツが、本作の影響もあり、従来のスポーツウェアからカジュアルなファッションアイテムへと変化していったのです。元々はアメフトなどのスポーツ選手がトレーニングの前後に身体を冷やさないために着ていたウールニットのセーターの着心地が悪かったので、1926年にベンジャミン・ラッセルJrの発案により、1930年に生み出された厚手のコットン製のシャツがスウェットシャツの始まりでした。

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ナチスの軍服を着るマックイーン。


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そして、マックイーンは、永遠のスタイル・アイコンになった・・・

撮影寸前の緊張した面持ちのマックイーン。

バイクに乗るマックイーンとコバーンとガーナー。何気にコバーンが一番カッコイイ。

左からジェームズ・ガーナー、マックイーン、ジェームズ・コバーン。

『拳銃無宿』シリーズ(1958-1961)と『荒野の七人』(1960)でスターになったマックイーンが、押しも押されぬ大スターになった瞬間。それが本作のヒルツを演じた瞬間でした。そして、この作品によって、モーターサイクルは、不良のアイテムから、男らしい男のアイテムへと格上げされたのでした。