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ペンハリガン

【ペンハリガン】オレンジ ブロッサム(ベルトラン・ドゥシュフール)

ペンハリガン
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オレンジ ブロッサム

原名:Orange Blossom
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:1976年/2010年再調香
対象性別:女性
価格:30ml/13,530円、100ml/25,630円

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息をのむほど美しいオレンジの香り

©Penhaligon’s

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1950年代から70年代にかけてゆっくりと衰退の道を歩んでいたペンハリガンを復活させたのは、「ハマンブーケ」を愛する有名なイタリア人映画監督兼オペラ演出家であるフランコ・ゼフィレッリでした。彼は1975年に、ペンハリガンを買収し、シーラ・ピクルスをクリエイティブ・ディレクターとして、ブランドの再興を託したのでした。

そして、彼女は、まず最初にコヴェント・ガーデンに店舗をオープンし、ボトルキャップが四角に変更されていたのを、ウィリアム・ペンハリガンがデザインしたオリジナルの「ハマンブーケ」のボトルと同じようにラウンド・ストッパーと大きなリボンに戻しました。

1975年から1998年までシーラは、ペンハリガンの責任者として、ウィリアム・ペンハリガンとウォルター・ペンハリガンが調香したレシピを徹底的に分析し、過去のヘリテージを復活させただけでなく、新たに調香師を雇い、女性のためのさまざまな伝統的な花の香りを生み出していったのでした。

そのうちのひとつがマイケル・ピクタールにより調香され1976年に発売された「オレンジ ブロッサム」でした。この香りを、2010年にベルトラン・ドゥシュフールが再解釈し、ヘリテージコレクション「アンソロジー」として蘇りました。

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すべてを脱ぎ捨てた全身に降りかけたくなる〝太陽の果実〟

©Penhaligon’s

息をのむほど美しいオレンジ〟とはどんな香りなのでしょうか?太陽のように輝くオレンジ、最も甘美なジュースのように濃厚なオレンジ、心を吹き抜けていく爽やかな風のようなオレンジ、もぎ取られるのを待つ早朝の果樹園のオレンジ。そのすべての香りが一纏めになったなら、その香りは、〝天国にいちばん近いオレンジの香り〟と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。

ペンハリガンの「オレンジ ブロッサム」は、まさに〝太陽の果実〟をボトルに閉じ込めた香りと言えます。すべてを脱ぎ捨てた全身に降りかけたくなる〝太陽のオレンジ〟は、レモンとベルガモットにより、きらめきが解き放たれる中、涼しげなカルダモンとピンクペッパーと共に、石鹸のように爽やかなネロリの風に乗ってやって来ます。

すぐにジャスミンとチューベローズを中心としたローズ、オーキッド、ピーチブロッサムといった花々が、ネロリを支えるように明るいフローラルブーケを生み出してゆきます。そして花ずくめの中から、ひとつの花が咲き誇ります。オレンジ・ブロッサムの花の蜜が広がっていくのです。

やがて、ジューシーなオレンジがドライなシダーとムスク、そして、クリーミーで滑らかなバニラとサンダルウッドそれぞれと結びつき、乾いたオレンジの皮の香りと、ジューシーなオレンジの果汁の香りをシンクロさせてゆきます。そこに、ソーピィーでグリーンなオレンジの花の香りがふんわり広がってゆくのです。

オレンジの果実が太陽に照らし出される壮麗さと温かみと高揚感が共存した、衣服を着ていても、この香りを振り掛ければ、すべてを脱ぎ捨てるような、カジュアルエレガンスを心に与えてくれる香りです。

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香水データ

香水名:オレンジ ブロッサム
原名:Orange Blossom
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:1976年/2010年再調香
対象性別:女性
価格:30ml/13,530円、100ml/25,630円


トップノート:ネロリ、ベルガモット、アマルフィ・レモン、ピンクペッパー、ヴァイオレット・リーフ、カルダモン
ミドルノート:ジャスミン、チューベローズ、ローズ、オーキッド、ピーチブロッサム、オレンジ
ラストノート:ムスク、サンダルウッド、ヴァージニアシダー、バニラ