ナルシス ノワール 2021年版
原名：Narcisse Noir
種類：パルファン
ブランド：キャロン
調香師：ジャン・ジャック
発表年：2021年
対象性別：ユニセックス
価格：30ml ／33,000円
販売代理店ホームページ：フォルテ
オリジナルとは全く違う〝オレンジ・ブロッサム〟の香り
ジャン・ジャック ©Caron
©Caron
1904年に創業されたキャロンが、低迷期に差し掛かりはじめた第二次世界大戦後、メゾンを立て直したフェリシエ・ヴァンピールは、1939年から62年にかけてのキャロンの最高責任者でした。
やがて時が過ぎ、世紀を越え、1998年にアレス・グループに買収され20年の時を過ごし、すっかり衰退への流れを辿っていた時、3000万ユーロで買収したのがロスチャイルド・ファミリーのアリアンヌ・ド・ロスチャイルド（カトレア・ファイナンス）でした。2018年のことです。
まず最初に彼女は、キャロン復興の施策として、ゲランのように専属調香師を迎えました。日本の高砂香料に22年間勤務してきたジャン・ジャックの登場です。
かくして復活した新生キャロンから『ラ・コレクション・メルヴェイユーズ』の香りのうちのひとつとして、110年前に発売された妖香を現代的に解釈した新生「ナルシス ノワール」が2021年5月に発売されました。
キャロンを創業したエルネスト・ダルトロフが、調香師としての経験を積み重ね、ついに悪魔と出会うことに成功し、1911年に魂と引き換えに〝悪魔の処方箋〟を手に入れ生み出したオリジナルの「ナルシス ノワール」とは全く違う香りです。
きらめき輝くオレンジ・ブロッサムの魔性を素肌に！
©Caron
©Caron
オリジナルで重要な役割を果たしていた水仙が主役ではなく、オレンジ・ブロッサムの〝天使と悪魔〟の側面を浮き彫りにしていくこの香りは、オレンジ・フラワーの三つの側面を中心に香りが構成されています。それは、女性の魔性を引き出す三つの側面のようです。
一つ目は、涼しげなクールビューティを演出してくれるネロリエッセンス、そして、もうひとつは男性を誘い込むような緑の楽園の香り＝プチグレンエッセンス、最後に、最も危険な艶やかさが滴り落ちていく甘やかなオレンジブロッサムアブソリュート。これらがひとまとめになった、獣が蠢く、きらめきからこの香りははじまります。
まるで、白いワンピースから少しだけ見える足首からふくらはぎにかけてのライン。またはむき出しの二の腕からデコルテラインへとうっすらと汗ばんでいる情景を思わせる、〝太陽の下のファム・ファタール〟の登場です。
あの〝男性が身を滅ぼしてもいいと思えるほどの〟陰鬱なオリジナルの空気がこちらには存在しません。21世紀のファム・ファタールは、昼下がりから、剥き出しの肉蜜の香りを発散しているものなのです。自らスポーツカーを運転し、スリットの入ったイブニングドレスから、健康的な太ももを曝け出し、颯爽と降りてくるような、太陽のように眩しい存在なのです。
すべてに隙がなく、徹底的に魅了した人々を打ち滅ぼしていくように、サンダルウッドとムスクが、花粉のようなオレンジ・ブロッサムとひとまとめになり、素肌を磨き上げていくのです。
香水データ
香水名：ナルシス ノワール 2021年版
原名：Narcisse Noir
種類：パルファン
ブランド：キャロン
調香師：ジャン・ジャック
発表年：2021年
対象性別：ユニセックス
価格：30ml ／33,000円
販売代理店ホームページ：フォルテ
トップノート：ネロリエッセンス、プチグレンエッセンス
ミドルノート：オレンジブロッサムアブソリュート、オレンジフラワーウォーターアブソリュート、ジャスミン、ローズ
ラストノート：マイソール産サンダルウッドエッセンス、ムスク、ハイチ産ベチバーエッセンス(IFF For Life)