ミルラ55 上海
原名:Myrrhe 55
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,650円、15ml/22,110円、50ml/48,730円、100ml/70,180円
公式ホームページ:ルラボ
2023年6月にル ラボは、中国本土初上陸を果たしました。
2023年6月にル ラボは、遂に、中国本土に初出店することになりました(香港には2014年にオープンしている)。上海で、元々、博物館として使われていた2階建ての建物を、ブティックに改装しました。
それを記念する形で2023年の「シティ エクスクルーシブ コレクション」の新作として「ミルラ55」が発売されました。ダフネ・ブジェにより調香されました。
「ミルラ55」の「55」とは、55種の香料により生み出されたという意味を持ちます。ルラボのフレグランスの中で最小数の香料で作られた香りは「アンブレット9」なのですが、一方、この香りが誕生するまで最大数の香料で作られた香りは「イラン49」でした。つまりこの香りは、香料のとても複雑なブレンドと調和を考えて生み出された、渾身の作品と言えます。
ちなみに英語版の公式サイトのこの香りの紹介の一文がとても興味深いです。
ミルラとは、和名を没薬(もつやく)と呼びます。紀元前1500年頃から古代エジプトにおいてソマリア産のミルラがフランキンセンスと共に(太陽神ラーへの薫香としてや、ミイラを作るときに)使用されていまし。そして紀元前10年にはミルラから精油を抽出していました。ローマ時代には、ミルラは黄金と同じ価値を持つようになりました。
中国でミルラが薬として使われた最初の記録は、10世紀に前蜀の李珣が記した『海薬本草』に唐王朝初期から使用されているという内容のものでした。以後、伝統的な中国医学では「血液を活性化する物質」として使用されるようになりました。
魔性のオリエンタルシプレーのきらめくオーラを解き放つ
ミルラというよりもジャスミンが際立つこの香りは、ダークなウードとフレッシュで甘やかなジャスミン(をはじめとしたホワイトフローラルブーケ)のランデブーという非常に珍しい組み合わせからはじまります。どうやらスパイシーなジンジャーとシナモンもそこにおられるようです。
すぐにムーディーなムスクとノワールなアンバーグリスの渦巻く風に乗り、滑らかにグリーンなパチョリと(スモーキーな蜂蜜が滴る樹脂とスパイシーなリコリスとローズマリーが入り混じったような)ミルラが、ウードとジャスミンをひとまとめにしてゆきます。
フレッシュなジャスミンが54種類の香料との出会いによって、類稀なるお香のような静謐さを漂わせてゆきながら、より魅力的に、酔わせるような魔性のオリエンタルシプレーのきらめく香りのオーラを解き放つようです。
究極にエレガントな中華美人に近づく、魔性のジャスミン
1995年のウォン・カーウァイ監督の『天使の涙』の名シーン。「この香水の匂いが別の女から漂ってくるなんて」と、お互いに考えながら、金髪の女と女エージェントは地下道ですれ違いざま、互いの関係を嗅ぎ当てるシーン。この香りこそ「ミルラ55」のような香りなのでしょう。
汚されて美しくなる運命の香り。世界一ミステリアスで美しい男の体臭の香り。こんな香りの男に抱かれたら、二度と忘れることは出来ない〝ミルラとウードで磨き上げられたジャスミンのくちづけ〟を全身で受け止めていくようです。
まさにドライダウンは、ドレスアップした究極形態のコン・リー様のようなエレガントな女性になっていくムードに浸ることが出来る香りだと思います。
ルラボの「ムース ド シェーヌ30」ともよく比較される香りです。
香水データ
香水名:ミルラ55 上海
原名:Myrrhe 55
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,650円、15ml/22,110円、50ml/48,730円、100ml/70,180円
公式ホームページ:ルラボ
シングルノート:ジャスミン、ムスク、パチョリ、ミルラ、アンバーグリス、アガーウッド(ウード)