ミモザ タヌロン(タヌロンのミモザ)
原名:Mimosa Tanneron
種類:オード・パルファム
ブランド:ペリス・モンテカルロ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,600円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP
ジャン=クロード・エレナの大自然のアルバム【ミモザ編】
2005年にウビガンを再建するために買収したペリスグループのジャン=ルカ・ペリスにより、2011年にモナコ公国モンテカルロでニッチフレグランスメゾン、ペリス モンテカルロが創立されました。
独自のブランドを立ち上げたのは、〝かつて天然香料が主役だった時代への香水の原点回帰と、調香の原点とも言える最高の天然原料を用いて、真に贅沢な作品を、現代の最新のナレッジでこの世に蘇らせるという、伝統と革新の完璧なバランス〟の理想を実現するためでした。
2019年にペリス モンテカルロは、ジャン=クロード・エレナのためのコレクションとも言える『ペリス・コレクション・ドゥ・グラース』をスタートしました。
このコレクションは、クリエイティブ・ディレクターのジャン=ルカ・ペリスの指揮の下、エレナが生まれ育った〝香水の聖地〟グラースの大自然の想い出を、ひとつひとつの花々を主題に、〝グラース産の最高級の天然香料と思いもよらない香料の組み合わせ〟により(水彩画ではなく)写実的な油絵のように描き出しています。
その第二弾の香りとして、2020年に発売されたのが「ミモザ タヌロン」でした。この香りは、グラースの約16km南西にあるタヌロンのミモザを主題にした香りです。
ミモザは、オーストラリアのタスマニア島原産であり、フサアカシア(Acacia dealbata)が正式名称です。1818年にイギリスを経由し、1824年にフランスのリビエラからタヌロンを中心に植林され広がってゆきました。
大自然のミモザの海に飛び込んでいく香り
エレナの幼少期のミモザの想い出と、彼が愛するアルベール・カミュ(1913-1960)のミモザへの想いをひとつにした香りとも言えます。
それはカミュが、彼の長年の愛人だった大女優マリア・カザレス(『天井桟敷の人々』)に出した一通の手紙(双方で12年間で865通のラブレターを送り合った)の中に書かれた
〝ミストラルが吹き、太陽が輝く日、私は湿原の向こう側にあるタヌロンへと向かう。ミモザの木の下で斜面が崩れていくように、うっとりするような黄金の風景の中を、空に向かって通路が続いている。目の前には黄色い斑点が踊り、私の中には光の渦が広がっていた。〟
という言葉が、まるで黄色の海であり、春の再生を予感させる、ミストラルに吹かれて揺れる2月のタヌロンのミモザを連想させました。
「ミモザ タヌロン」は、最初から最後まで美しいイエローの光線の温もりに包まれる香りです。
春の祭典のはじまりを予感させる、太陽の輝きのようにパウダリーなミモザが、そよ風に乗って肌を撫でながら濃厚に浮かび上がってくるようにしてこの香りははじまります。すぐにミルキーかつアロマティックなサンザシにより、明るくふんわりと、とても自然な甘やかなミモザの花蜜の雰囲気となります。
緑が抑えられた、生命力溢れるふくよかなミモザが心の中に広がっていくようです。やがて、みずみずしいローズが加わり、咲き誇る丘の真っ只中へと誘ってくれます。
バニラのような甘やかさ、キューカンバーのようなみずみずしさ、アンジェリカの雨上がりの湿った雰囲気、グリーンアーモンドの香ばしさといったタヌロンのミモザの香りが美しく再現されてゆきます。
そして、ホワイトムスクが降り注ぎます。それはまるで太陽とミモザの黄色い閃光の中で、花蜜を求め浮遊するミツバチになったような贅沢な余韻を与えてくれます。
天の恵みと言っても、言い過ぎではない、ミモザの蜜を肌で吸い尽くしていくような贅沢な香りです。でありながら、決して濃厚にパウダリーではない、幽玄さを兼ね備えたミモザなのです。
香水データ
香水名:ミモザ タヌロン(タヌロンのミモザ)
原名:Mimosa Tanneron
種類:オード・パルファム
ブランド:ペリス・モンテカルロ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,600円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP
トップノート:ミモザアブソリュート
ミドルノート:サンザシ、ローズ
ラストノート:ホワイトムスク