誇り高き黒人の時代=古代エジプト文明
「リメンバー・ザ・タイム」 1992年1月リリース。全米第3位/全英第3位
アルバム『デンジャラス』(プロデューサーはテディー・ライリー)からの第2弾シングル。作詞・作曲はマイケル・ジャクソンとテディー・ライリーです。「ブラック・オア・ホワイト」のマイケルの次のシングルが、出演者は全て黒人の「ブラック・オンリー」ソングです。
「ボーイズ’ン・ザ・フッド」(1991)で24才の超新星の黒人監督として、オスカーにノミネートされ話題になったジョン・シングルトンから、マイケルにオファーした作品です。舞台は古代エジプトに設定され、エディ・マーフィー、マジック・ジョンソン、そして、翌年デヴィッド・ボウイと結婚することになるスーパーモデル、イマン(1955-)が出演する豪華なショートフィルムになりました。
この曲は、ダイアナ・ロスへの深い愛に基づいた作品でした。イマンもそうなのですが、ダイアナ・ロスもまさにエジプトの王妃に相応しい気品ある美女でした。この作品で初めてマイケルはヒップホップなダンスに挑戦しました。そこには、ホワイトもイエローも入り込む隙のない、ブラック・イス・ビューティフルの世界観が充満していました。ただ、マイケルのコスチュームが、残念な出来上がりでした。古代エジプト風の衣装の下が、モダンな黒パンツとブーツのミスマッチはマイケルをもってしてもどうしようもありませんでした。
この作品は、ファッションが、全てを台無しにした作品です。イマンとエディ・マーフィーが良かっただけに残念です。
この時のマイケル・ジャクソンの衣装は、エジプトをモチーフにしたものです。ゴールドのサテンで作られたトップスに、ゴールドで作ったファルコンの鎖かたびら(赤い宝石をアクセントに)と、白スカートとブラックパンツとブラックブーツです。
マイケル・ジャクソン・ルック24 ダウンジャケット・スタイル
- かなりモードな黒のバイカーズ・ダウンジャケット
- ブラックデニム
ロベルト・カヴァリがデザインしたデンジャラス・ジャケット
ヴィクトリア・ベッカムやビヨンセのステージ衣装もデザインしたことのあるファッション・デザイナー、ロベルト・カヴァリによるジャケットです。彼がこの一着だけをデザインすることになったきっかけは、マイケルからのこの言葉にありました。「僕は今、新しいルックを必要としています。僕はもうモカシンにも、白いソックスにも疲れたんです」。そこでロベルトは一肌脱ぐことになりました。
そして、数ヶ月かけて一枚のジャケットを製作しました。デンジャラス・ツアーの招待された彼は、大歓声の中、自分のジャケットを着るマイケルを見てうっとりしました。その時です!「キャ~、素敵なジャッケット!!」と絶叫するファン達に対して、なんとマイケルはそのジャケットを脱ぎ、ファンの方に放り投げたのでした。その時、その風景を見ていたロベルトはこう感じたと後にヴォーグのインタビューで言っています(2013年)。「マイケルのためにもう二度と衣装は作らないぞ」と・・・。マイケルらしいエピソードです。
マイケル・ジャクソン・ルック25 バンドリヤー(弾薬帯)スタイル
- ロベルト・カヴァリのデザインによる近未来ポリス風シルバーホログラム・ジャケット
- シルバーレザー・バンドリヤー・ベルト。メタルプレート付き
- メタルプレートベルト
- ゴールドスパンデックスレオタード
- ブラックパンツ
- 右手にブラックレザーの腕章
- ティアドロップサングラス