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ゲラン

【ゲラン】マホラ(ジャン=ポール・ゲラン)

ゲラン
©GUERLAIN
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マホラ

原名:Mahora
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:2000年
対象性別:女性
価格:30ml/14,000円(EDT)

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「ゲラン史上最低の香り」by ルカ・トゥリン

©GUERLAIN

「匂いの帝王」ルカ・トゥリン様から「ゲランを傘下に収めた後、LVMHグループが犯した過ち」「ゲラン史上最低の香り」「記念碑的なまでに下品」とまで言い切らせ、その名をもじり「My Horror」と命名されてしまったのが、2000年に生み出された「マホラ」です。

「マホラ」とは、フランス領になる前のマヨット島の名称「Mahoré」から来ています。この香りのテーマは、空想上の第六大陸です。ゲランの四代目調香師ジャン=ポール・ゲランにより調香されました。

1995年にジャン=ポール・ゲランは、コモロ諸島の南東端にあるマヨット島にイランイラン農場を購入し、最高級の原料を確保しました。そして、それに伴いかの地がとても気に入ったジャン=ポールは住居を構えました。しかし、労働者の雇用問題で揉め、2002年に農場を手放し、ゲランはこの島から撤退しました。

この香りの背景にある悲劇は、こういったゲランの最高級の原料を求める格闘の歴史の証でもあるのです。

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南国の香りとしては最高峰の香り


さて香りについてお話しましょう。まずはフレッシュグリーンな海風に乗って、甘いオレンジとアーモンド・ブロッサムの香りが、ベースのサンダルウッドとベチバーによりココナッツミルクのようなミルキーさを帯びるトップノートからはじまります。

そして、いつの間にか低濃度のインドールが香るチューベローズとイランイラン、ジャスミン、ネロリといった南国の花々に身も心も包み込まれていきます。ルカ・トゥリンの評価は、ともかくとして、南国(トロピカル)の花々の香りが好きな人にとって、この香りは、高級感漂う南国リゾートを容易に想い出させてくれるかなり優れた香りだと言えます。

特に、クリーミーなサンダルウッド、バニラ、ベチバーが突出したドライダウンはかなりクセになります。ただし、仕事に向かって気持ちを高めていきたい時にこの香りを嗅ぐと、とんでもなくやる気の失せる香りとも言えます。

光り輝く太陽をモチーフにした、岡本太郎の太陽の塔のような不思議さと、愛嬌を兼ね備えたボトル・デザインはロベール・グラネによるものです。

キャンペーン・フィルムはなぜかウルル(エアーズロック)を背景に全裸の女性がボトルを持って立つミステリアスなムード溢れるものです。

2002年にこの香りは、農場のゴタゴタもあり廃盤になり、2006年に「パトリモワンヌ コレクション」のうちのひとつ「マヨット」の名で再販され、2016年まで発売されました。

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香水データ

香水名:マホラ
原名:Mahora
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ジャン=ポール・ゲラン
発表年:2000年
対象性別:女性
価格:30ml/14,000円(EDT)


トップノート:アーモンド・ブロッサム、グリーンノート、オレンジ
ミドルノート:チューベローズ、イランイラン、ジャスミン、ネロリ
ラストノート:サンダルウッド、バニラ、ベチバー