レ ズール ヴォワイヤジューズ
Les Heures Voyageuses ハイジュエリー・ブランド、カルティエが、初代専属調香師としてマチルド・ローランを抜擢したのは、2005年のことでした。2009年からスタートしたブランド初のラグジュアリー・コレクション「レ ズール ドゥ パルファン〝香水の時間〟」は、〝香りのアート〟として人気を得ています。
さらに2014年に発表された新しいラグジュアリー・コレクションが「レ ズール ヴォワイヤジューズ」です。〝旅人たちの時間〟という名のこのコレクションで、東洋の神秘の旅の象徴とも言えるウード(沈香)を再解釈しています。
ウードの真実を求める旅のはじまり。
私はウードがとても好きです。これまでたくさんのブランドがウードを使った香水を作っているのを見てきましたが、ウードの本質を尊重していないことに驚きました。だから、このコレクションをはじめようと決めたとき、私はウードという素材にこだわり、その本当の動物的な側面を示したいと強く思ったのです。
マチルド・ローラン
マチルド・ローランにとって、ウードの存在は「かつて常に香水の中に存在した、熱く官能的でオリエンタルな失われつつある側面を、ウードによって、私たちはそれを再び見つけることができる」〝バニラ化する欧米の香水産業〟の救世主として捉えられています。
2014年に「ウード & ウード」「ウード & ローズ」「ウード & ムスク」の三種からはじまったコレクションは、翌2015年には「ウード ラディユ」が発表され、以後、2016年に「ウード & サンタル」「ウード アブソリュ」、2019年に「ウード & ミント」、2020年に「ウード & アンバー」、2021年に「ウード & ピンク」、2023年に「ウード バニラ」と順調にリリースされています。
〝リキッドゴールド〟の液体が注ぎ込まれたボトルは、1909年のカルティエのルビーブローチにインスパイアされた金色のムシャラビエモチーフで飾られています。
私がドバイで驚いたのは、最高のウードは最も動物的だということです。ヨーロッパでは、香水からそのような繊細で官能的な香りが失われてしまっています。私たちは永遠にフルーツとバニラに縛られるわけにはいかないのです。
ウードはこの業界に健全なものをもたらしたと思う。ウードは香りのバリエーションを与えてくれますし、それはとても重要なことです。
マチルド・ローラン