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ペンハリガン

【ペンハリガン】ジュニパー スリング(オリヴィエ・クレスプ)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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ジュニパー スリング

原名:Juniper Sling
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:オリヴィエ・クレスプ
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/16,390円、100ml/33,550円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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〝美しいドライ・ジンのキレ味を素肌で受けとめる〟香り

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私はジンの匂いを作るために、ロシア産のジュニパーベリーを使用しました。かつて私はロシアの香料工場で働いていたこともありました。そして、ロシアへは、旧ソ連時代を含めて50回以上訪問しています。そういった経験が、この香りを調香するためにとても役立ちました。

オリヴィエ・クレスプ

2007年にペンハリガンのジェネラル・マネージャーに就任し、ブランド復興の舵取り役を見事に果たしていたサラ・ロザラムが、右腕のクリエイティブ・ディレクター、ナタリー・ヴィンチグェッラと2008年に生み出した最初の香り「エリクシール」により、オリヴィア・ジャコベッティがペンハリガン初登場となりました。

それ以降、実力派調香師を起用する流れがはじまりました。そして2011年に、遂にオリヴィエ・クレスプの登場と相成りました。彼こそが1992年にティエリー・ミュグレーの「エンジェル」により『グルマン革命=グルマンの創造』を成し遂げた人でした。

ジュニパー スリング」は、狂騒の20年代を称えるフレグランスとして、当時ロンドンで大流行していたドライ・ジンとジャズエイジから着想を得た香りです。

ジンとは、1660年にオランダで誕生したジュニパーベリーを主体としたスピリッツ(蒸留酒)です。17世紀末に〝ジン〟と呼ばれるようになり、19世紀半ばに連続式蒸留器が発明されたことによりドライ・ジン(ロンドン・ジン)が誕生することになりました。

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お酒の香りは一時間くらいで消えるほうが、酔わなくて丁度よい。

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©2022 BOMBAY SAPPHIRE

ドライ・ジンを口に含んだ感覚を、嗅覚を通して感じることが出来る、ひんやりと氷のように冷たい〝キレのある美しいドライ・ジンの衝撃を素肌で飲む〟香りは、シャープなアンジェリカと共に、最初からやって来るジュニパーベリーとカルダモンのマリアージュからはじまります。

すぐにほのかに感じるオレンジブランデーとジンジャーエールに、ブラックペッパーが加わり、すべてがひとまとめになり素肌の上にドライ・ジンとして滑らかに引き伸ばされていきます。

やがてほろ酔い気分を生み出すように、軽やかなオリスルートとレザーの香りが広がってゆきます。そして、星の輝きのようにきらめくドライ・ジンの中に、ブラウンシュガーとブラックチェリーの甘さが溶け込み、とろけてにおい立つ余韻に満たされてゆきます。

ジュニパーベリーに森林の清涼感や癒しという役割ではなく、ドライ・ジンとひとつになる酔わせる役割を果たさせることに成功している香りです。ただし、一時間くらいで肌に溶け込んでしまうので〝飲みたくなるオーデコロン〟的なオードトワレとも言えます。

お酒の香りは一時間くらいで消えるほうが、酔わなくて丁度よいのです。

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香水データ

香水名:ジュニパー スリング
原名:Juniper Sling
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:オリヴィエ・クレスプ
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/16,390円、100ml/33,550円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:アンジェリカ、シナモン、オレンジ、ジュニパーベリー
ミドルノート:カルダモン、オリスルート、レザー、ペッパー
ラストノート:ベチバー、チェリー、シュガー、アンバー