ジャーニー マン
原名:Journey Man
種類:オード・パルファム
ブランド:アムアージュ
調香師:アルベルト・モリヤス、ピエール・ネグリン
発表年:2014年
対象性別:男性
価格:不明
ペッパー×コニャック×シガーが織り成す歴史的名香の誕生
オマーン帝国から誕生した高級香水ブランド・アムアージュが世界的なブランドになったのは、2007年にクリエイティブ・ディレクターに就任したクリストファー・チョン(元々バリトン歌手)の手腕によるものでした(2019年5月1日に辞任)。
2014年に、彼は自分自身のルーツと上海アールデコ、中国映画のチャイニーズ・ノワールへの深い愛の旅(ジャーニー)として、「ジャーニー ウーマン」と「ジャーニー マン」というペア・フレグランスをプロデュースしました。
二つの香りは、異なった旅のスタイルをイメージした香りです。「ウーマン」は、「静かで、観察力のある旅人がまず道を切り開く」イメージ。一方ウッディー・スパイシーな「マン」は、「未知の世界に果敢に飛び込んでいく」イメージです。両方ともアルベルト・モリヤスとピエール・ネグリンにより調香されました。
特に「マン」においてクリエイションにおける重要なポイントとされたのは、白黒映画における光と影が生み出す魔法を、色のある現実世界の中で再現しようとした所にあります。
中華鍋が火を噴く中、生み出される極上のシガーの香り
火を噴く中華鍋が並ぶ中華料理店の厨房に足を踏み入れた瞬間、五感は研ぎ澄まされ、いやおうなしにスパイスや、焦がされる生肉や野菜、蒸された食材が放つ香りの虜になることでしょう。
この香りは、そんな〝赤い太陽〟のように燃えるスパイスの輝きに、弾けるベルガモットとネロリの苦さと甘みが遭遇した瞬間に立ち会うところからはじまります。私たちは、スパイスが息を飲むほどに美しくなる瞬間に見せる〝奇跡のスイートさ〟を体感することになるのです。さぁ、アムアージュの中華厨房への旅へようこそ。
すぐにチャイニーズ・ノワール(1920年代の上海の暗黒街)を感じさせるダークでリッチなコニャックの匂いが贅沢に漂いはじめます。時を同じくして、遠くからお経が聞こえてくるような(それも日本風のお経ではなく、嵩山少林寺風のお経)お香の香りが広がってゆくのです。
「ジャーニー マン」の魅力。それは中東と西欧の人々が夢にまで見る〝中華世界の魅力〟を酔わし燃やし尽くすようにして多面的に感じさせるところにあります。
やがて、コニャックの香りが、アーシィーでスパイシーなシプリオールとレザリーなゴールデンアンバーに引き継がれ、一方で、インセンスの香りは、ダークローズを感じさせるゲラニオールと上品なシガーに引き継がれてゆきます。
そして、クリーミーなトンカビーンとムスクの薄靄の中、とてつもなく柔らかく滑らかな複雑な世界観を、肌だけでなく、身も心も焼き尽くし、夢幻のような甘く焦げた余韻で包み込んでくれるのです。
この香りの恐ろしいところ、それはネロリとコニャック(=ジュニパーベリー)が結びつくように、その他諸々の香りも、想像を絶する組み合わせで結びつけられており、着用者のさまざまな感覚を呼び覚ますところにあります。
一言でこの香りを表現すると、龍が噴く炎で焼き尽くされるスパイスとコニャックが導く極上のシガーの香りであり、肌を酔わせるのではなく、肌を焼き尽くすような未知なる感覚をもたらす香りと言えます。
香水データ
香水名:ジャーニー マン
原名:Journey Man
種類:オード・パルファム
ブランド:アムアージュ
調香師:アルベルト・モリヤス、ピエール・ネグリン
発表年:2014年
対象性別:男性
価格:不明
トップノート:四川山椒、カルダモン 、ベルガモット、ネロリ
ミドルノート:タバコリーフ、インセンス、ジュニパーベリー
ラストノート:レザー、シプリオール、トンカビーン、ムスク