フラビア バニラ
原名：Flavia Vanilla 82
種類：オード・パルファム
ブランド：パルル モア ドゥ パルファム
調香師：ミシェル・アルメラック
発表年：2016年
対象性別：女性
価格：50ml／15,400円、100ml／25,300円
販売代理店：ラトリエデパルファム
少年が、イタリアの美女に胸のときめきを覚えた甘い香り
2016年に創業されたパルル モア ドゥ パルファムから最初に発表された8つの香りのうちのひとつ「フラビア バニラ」は、若き日に調香師が出会った、フラビアというイタリアの美女の叙情的に輝く瞳の美しさの色褪せぬ想い出からインスパイアされた香りです。
ブランドの意向や市場に関係なく、本当に自分が生み出したい香りを心ゆくまで追い求める環境を手にした巨匠ミシェル・アルメラックにより調香されました。
〝Flavia Vanilla 82〟。ちなみに、最後についている数字は、試作回数を示しているのですが、この香りの試作回数は82回ということになります。
母性愛を身にまとう、やさしい美女になれます。
フラビアが颯爽と街の通りを歩くと、その後には甘い香りが漂います。その瞳は黒く、まるで液体が流れ出しそうなほど、潤んだようにキラキラと輝いています。少年たちはその視線を憧憬と共に追うのです。
眩しいほどに美しい彼女のたまらなく甘い香りは安心感を与え、親近感さえ覚えさせます。そして香りは彼女の肌にまとわりつき、少年たちの心の中に忍び込み、夢の中にとどまるのです。
公式文より
幼き少年の心に芽生える女性に対する〝青くて甘い想い〟からはじまるこの香りは、クリーミーでスパイシーなイランイランに、円やかなピーチと優しいバニラが溶け込みようにしてはじまります。美しい女性の吐息のように、肌を透かして心を満たしていく〝やさしいバニラ〟のようです。
この香りのオープニングを体現するひとつの映画が存在します。フランソワ・トリュフォーの短編作品『あこがれ』（1958）です。
大自然の中で裸足で自転車をこぐお姉さんに夢中な少年たちが、翻るスカートから覗く生脚に釘付けになり、さらに、彼女が乗り捨てた自転車のサドルの匂いを嗅ぐ。この瞬間こそが、この香りのはじまりなのです。
少年は、彼女を見るたびに胸が高鳴る意味を、ゆっくりと知るのです。そんな幼い心に芽生えた何かが育っていくようにバナナフランベのような甘やかさに満たされてゆくのです。そしてフレッシュなグリーンマグノリアのようなミケリアフラワーが、彼女とすれ違うように切なく香るのです。
この香りのとても魅力的な所は、女性にとって、そういった少年に憧れを与える〝美しき年上の女性の甘い匂い〟を生み出す、もしくは、そんな〝淡い少年の想いを確信していた過去の記憶〟を呼び覚ますところにあります。
少年が勝手に妄想しているだけなのでしょうが、「彼女は満たされない日々を過ごしているんだ」と思わせるダークなスモーキーバニラのうっすらとした広がりは、うっとりまったりとムスキーバニラに温かな余韻を加えてくれるのです。
ひとりの美しい女性が、男の子のママになり、ひとりのダンディな男性を見て、「ああ、あなたもリトルベイビーだったのね」と思うようになる。そんな〝母性愛を身にまとう、やさしい美女〟の香りとも言えます。
香水データ
香水名：フラビア バニラ
原名：Flavia Vanilla 82
種類：オード・パルファム
ブランド：パルル モア ドゥ パルファム
調香師：ミシェル・アルメラック
発表年：2016年
対象性別：女性
価格：50ml／15,400円、100ml／25,300円
販売代理店：ラトリエデパルファム
シングルノート：イランイラン アブソリュート、ミケリア、バニラ、ピーチ、シュガー