究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
カルバン・クライン

【カルバン クライン】ユーフォリア(ドミニク・ロピオン/カルロス・ベナイム/ロク・ドン)

カルバン・クライン
©CALVIN KLEIN
この記事は約6分で読めます。
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

ユーフォリア

原名:Euphoria
種類:オード・パルファム
ブランド:カルバン・クライン
調香師:ドミニク・ロピオン、カルロス・ベナイム、ロク・ドン
発表年:2005年
対象性別:女性
価格:不明

スポンサーリンク

ザクロとオーキッドとパチョリで心がしっとり濡れていく、恍惚の香り

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

70年代のジーンズ、80年代のアンダーウェア、90年代のフレグランスと、アメリカのファッション・シーンのみならず、世界のファッション・シーンに影響を与えた人がいました。その人の名をカルバン・クライン(1942-)と申します。

1978年に娘マーシ・クライン(1967-)が自身のベビーシッターに誘拐されたときに、10万ドルの身代金を払い解放されたことに関して、捏造疑惑まで生まれた(世間の同情によりカルバン・クラインは爆発的な売り上げを上げたため)この御方は、ビジネスを軌道に乗せるためなら、どんな手段でも講じるというイメージの人でもありました。

そんなカルバン・クラインが1994年に「シーケーワン」で、ユニセックス・フレグランスという概念を世に示し、フレグランス業界に革命を起こした11年後にあたる2005年に「ユーフォリア」は誕生しました。ちなみに。その二年前の2003年にカルバン・クラインはチーフ・デザイナーを退任していました。

1985年からCKのためにフレグランス・コンサルタントを務めているアン・ゴットリーブをクリエイティブ・ディレクターとして、〝中毒性のあるオリエンタル〟と銘打たれたこの香りは、ドミニク・ロピオンカルロス・ベナイムロク・ドンにより調香されました。

〝ユーフォリア〟とは、英語で〝恍惚、幸福感、高揚感、陶酔感〟の意味です。より正確に言うと、特定の出来事や状況(デートなど)によって引き起こされる、一時的な幸福感や興奮状態を意味します。

特徴的なボトル・デザインは、ファビアン・バロンによりデザインされました。キャンペーン・ミューズとしてロシア出身のスーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァが起用されました。2012年にはララ・ストーン、そして2018年にはミカ・アルガナラズがミューズを継承しました。

スポンサーリンク

あなたが歩めば、いきいきとした色艶が甘やかに燃えあがる。

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

©CALVIN KLEIN

最初から出し惜しみなく、洗練された女性のオーラを解き放つこの香りは、酔わせるワインのように甘酸っぱいザクロと、たおやかに甘やかな(ピーチのような)パーシモンが、フルーティに艶めいていく中、空が暗さを降らしていくように、苦くて辛いグリーンパチョリが、宝塚の男役のようなマスキュリンなひねりを与えてゆくようにしてはじまります。

すぐに、うっとりと魅惑的なマホガニーの木の香りが広がる中、チャンパカ、オーキッド、ロータスのエキゾチックでスパイシーな花々が、空がクリーミーなパールカラーに美しく変わっていくように、とろけるようなミステリアスなつけ心地で満たしてゆきます。

そして、天空からパープルカラーのイブニングドレスが舞い降りるのです。この香りをフェミニンなものにしていくヴァイオレットの登場です。今まで髪をオールバックにして男装していたトップオブトップが、ショートボブの髪型で、スリットの入ったドレスから美脚を露わにして、妖艶な官能美を解き放つのです。

やがて、ムスキーなホイップクリームとラム酒、キャラメルがひとまとめになった〝恍惚のオリエンタルグルマン〟が、あなたが歩めば、いきいきとした色艶が燃えあがる、そんな匂い立つ甘さで包み込んでくれるのです。

スポンサーリンク

素肌と心をドレスアップする香り

ララ・ストーン ©CALVIN KLEIN

この香りは、香りの中に身を置くのではなく、香りに肉体が乗っ取られていくような、油断していると、蜘蛛の糸に絡めとられていく、不思議な感覚に包まれていく香りです。

ちょうど、ひとつの恋がはじまったときに感じる、圧倒的に幸せな瞬間と、その後を予見しやって来る不安感、そういったものがひとまとめになっているのです。つまりは、素肌と心をドレスアップする香りなのです。

ロエベの「キサス キサス キサス」とよく比較される香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ユーフォリア」を「レッドカラントの綿菓子」と呼び、「「エンジェル」以後の香水は、お菓子をもちながら永遠に食べない訓練みたいなものだ、エンジェルをおもしろい香水にしているのは、食べてしまいたくなるようなバニラと綿あめ、ブラックカラント、それに「飲用不可」のフローラルベースだった。」

「「アンソレンス」のようにエンジェルの自由奔放な魂を借りたものもあれば、「フラワーボム」のように構成を借りたもの、「ココ マドモアゼル」のように性的な両義性を借りたものもある。」

「さて、ではエンジェルを改良するにはどうしたらいいか。調香師のドミニク・ロピオンは思案した。彼ほど複雑に合成された力強い芳香化合物の扱いが上手な人物なら、こっそりエンジェルの機関室に忍び込んで滅茶苦茶にいじり回し、スイス時計のように複雑にしてしまえばいいのに。「エイリアン」はこの作戦で成功しかけた例だが、ユーフォリアは工夫が足りない。たとえてみれば、旅客機の機内で上映するために猥褻なセリフを削除した退屈なコメディ映画みたいなもの。それでも立派な仕事ではある。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:ユーフォリア
原名:Euphoria
種類:オード・パルファム
ブランド:カルバン・クライン
調香師:ドミニク・ロピオン、カルロス・ベナイム、ロク・ドン
発表年:2005年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ザクロ、パーシモン(柿)、グリーンノート
ミドルノート:ブラック・オーキッド、ロータス、チャンパカ
ラストノート:マホガニー、アンバー、ブラック・ヴァイオレット、ホイップクリーム