ダーク アンバー &ジンジャー リリー コロン インテンス
原名:Dark Amber & Ginger Lily Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:アンドレア・ルポ
発表年:2008年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
ジョー・マローンの日本の香り
記念すべきジョー・マローン・ロンドンのコロン・インテンス第一弾です。元々は2008年に「香道コレクション(コードー・ウッド・コレクション)」の二つのうちの一つとして限定販売され、現在レギュラー販売されている香りです(もうひとつは「ロータス ブロッサム & ウォーター リリー コロン」)。
サンスクリット語で伽羅とは、黒を意味します。この香りには、インセンス(=お香)の中でも「最高峰の香料」とされるベトナム産の伽羅が使用されており、京都・奈良の中でも観光客であふれ返っていない静謐な寺社を連想させる香りです。
特に「日本の魅力を体現した幻の寺」である浄瑠璃寺や岡寺、白毫寺の香り。ヨーロッパから見た日本の良さを見事に表現した傑作。アンドレア・ルポにより調香されました。
ブラックカルダモンと砂糖漬けされたジンジャー、ピンク・ペッパーが絡み合うスパイシーな空気に伽羅の香りが重なり合うトップノートからはじまります。すぐにスパイスは後退し、レザーのスモーキーさが現れ、その後ろに控えていたブラック・オーキッド、ジャスミン、ウォーター・リリー、ローズといったホワイトフローラルがベースのアンバーと混じり合いながら厳かに花開きます。
ドライダウンは、伽羅の香りを中心にパチョリがアンバーの官能性の中に甘い神秘性を生み出す役割を見事に果たしています。後5年もたてば、名香と呼ばれるレベルの香りです。
真相は分からないのですが、同じエスティローダーグループのトム・フォードの「ブラック オーキッド」(2006)と類似性を感じさせる香りです。
第16代ローマ皇帝が日本遠征した香り
嗚呼・・・これほど静かに花が開く香りがいまだかつて存在したでしょうか?全然イメージが違うと言う人もいるでしょうが、私はこの香りから、昔の角川映画に常に流れていたオープニングロゴの神秘性を感じ取ります。
心躍る瞬間に、やって来る自省のひと時を香りにしたような、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」を読んでいるような気分にさせられる香りです。
「人生とは香りによって作り上げられるものに他ならない」。そして、世界一美しい女性とは、他人に対してアピールする女性ではなく、ただひたすら自省する女性だということを理解させてくれる「香りの自省録」です。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「シダー、ローズ、ミルキー・フローラルの組み合わせが、ぼんやりとしたサンダルウッドの蜃気楼や、グラスに注いだスコッチの幻を見せる。」「似たようなところでは、たとえば「クリツィア ウォモ」のほうがいい。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ダーク アンバー &ジンジャー リリー コロン インテンス
原名:Dark Amber & Ginger Lily Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:アンドレア・ルポ
発表年:2008年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
トップノート:ブラックカルダモン、ジンジャー、ピンク・ペッパー
ミドルノート:ブラック・オーキッド、ジャスミン、ウォーター・リリー、ローズ
ラストノート:キャラ・インセンス(オリバナム)、レザー、サンダルウッド、パチョリ、ブラック・アンバー