ブルガリ ブルー プール オム
原名:BLV Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2001年
対象性別:男性
価格:30ml/7,592円、50ml/9,350円、100ml/12,870円
〝ブルー旋風〟を巻き起こした香り
2000年に「ブルガリ ブルー」を生み出したブルガリは、翌2001年にアルベルト・モリヤスが調香したメンズ・ヴァージョンを発表しました。
大人の男性の深い落ち着きを感じさせるウッディ・スパイシーな香りは、ブルガリの思惑とは全く違う形で、日本列島に直撃しました。それは21世紀初頭に日本中を包み込んだホスト・ブームの中、この香りこそが、ホストの証とでも言わんばかりの〝ブルー旋風〟を巻き起こしたのでした。
特に歌舞伎町、渋谷、ミナミのある一角の空気は、ブルー一色になったのでした。ドルチェ&ガッバーナとエンポリオ・アルマーニと共に、その後の10年余り、ブランド・イメージをネガティブなものに変えるきっかけになってしまった香りとも言えます。
以下、記す香りの流れは、全盛期当時の香り立ちとは全く違うはずです。その理由は、当時男性にとって香水とはオーデコロンや「シーケーワン」のように浴びるように使うものだったからです。
スパイシーかつとてもフレッシュな二種類のジンジャーに、グリーンカルダモンのミントのようなハーバルなアクセントが加わるようにしてこの香りははじまります。二種類のうちひとつのジンジャは、ガランガルというタイでトムヤンクンやグリーンカレーに使われるものです。
身体の芯まで温かくなるジューシーさとピリっと辛いコントラストが生み出されています。そこにレモンのような酸味の効いたシトラス系の香りが加わり、煌きを与えていきます。
すぐに、レモンは消滅し、クリーミーなサンダルウッドが甘いムスクと共にかき混ぜられソーピィーな泡立ちを生み出してゆきます。さらに雨上がりの森が香るようにシダーウッドとジュニパーがフレッシュ感を追加してゆく中、柔らかくパウダリーなタバコ・フラワーが溶け合い、グッと甘く身体全体を包み込んでくれます。
〝石鹸の香り〟です。それは身を清めると心も清まるという日本古来の「清める」文化に溶け込んでゆきやすい香りでした。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ブルガリ ブルー プール オム」を「スパイシー・フレッシュ」と呼び、「誰かが洗濯石鹸のムスクと、オリエンタルのふりをした甘いシトラスのスパイスを、おしゃれにドレスアップさせようとした。甘ったるくてくどい。青いボトルの男性用香水を信じない方がいいと前から思っていたけど、再確認。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ブルガリ ブルー プール オム
原名:BLV Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ブルガリ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2001年
対象性別:男性
価格:30ml/7,592円、50ml/9,350円、100ml/12,870円
トップノート:カルダモン、ジンジャー、ガランガル
ミドルノート:ジュニパー、サンダルウッド
ラストノート:チークウッド、タバコフラワー、シダーウッド、ムスク