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【ペンハリガン】ザ ブレイジング ミスター サム(情熱的なアメリカ人、ミスターサム)(クリストフ・レイノー)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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ザ ブレイジング ミスター サム(情熱的なアメリカ人、ミスターサム)

原名:Blazing Mister Sam
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリストフ・レイノー
発表年:2018年
対象性別:男性
価格:75ml/45,100円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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若き日のドナルド・トランプの香り

©Penhaligon’s

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自由気ままに人生を楽しんでいるアメリカ人のミスター サム。どこにいても人を惹きつける、存在感のある彼を表すのは、モダンでスタイリッシュ、かつ安心感をもたらすセクシーで深い温かみを持ったフレグランス。

クールで刺激的なスパイスが織りなすトップノート。カルダモン、クミン、ブラックペッパーの後に続くのは、やわらかなタバコとパチョリ。個々の香りが共鳴しあう官能的なウッディノートを身につければ、親密で本能に訴えかけるようなムードがただよい、彼の準備は整います。

これから彼は、先日会ったばかりのローズ公爵夫人の手ほどきを受けるのです。

公式ホームページより

2016年11月、英国のフレグランスハウス・ペンハリガンより、イギリスの上流階級の秘密を表現したコレクション<ポートレート>が発売されました。

「19世紀後半、イギリスの田園地帯に建つ大邸宅に住むジョージ卿とその家族たち、一人ひとりのキャラクターとその人間関係、ユーモア、刺激的なエッセンスを香りで表現する。」(公式ホームページより)。

その第四章として2018年に発売され、2019年6月5日に日本上陸した二作品のうちのひとつ「ザ ブレイジング ミスター サム(情熱的なアメリカ人、ミスターサム)」は、クリストフ・レイノーによって調香されました。

ドロシア伯爵夫人に警戒されるほどに誰からも好かれる、アメリカン・スマイルを振りまくこの男の心中やいかなるものなのだろうか?世の中に「魅力的な笑顔で近づくアメリカ人」ほど恐ろしいものはないと考えるイギリス上流階級の深層心理を香りで表した面白い作品です。

18歳のドナルド・トランプ。1964年

この香りの特徴を捉えたボックスパッケージはクリスティヤーナ・S.ウィリアムズにより描かれたものです。そのイラストは、若き日のドナルド・トランプを連想させます。

ボトルキャップのデザインは、それぞれの香りの主人公を動物に喩えた真鍮製のものとなっています。サムは〝雄牛〟です。

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さあ、香りが生み出す〝最も危険な遊戯〟へようこそ。

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「魅力的な笑顔で近づくアメリカ人」ほど恐ろしいものはない。この香りのテーマは、男性にとって、〝無敵の笑顔〟を手にすることだ!さあ、香りが生み出す〝最も危険な遊戯〟へようこそ。

冷たいカルダモンと熱いシナモンのスパイスのコントラストが生み出すリキュールのような酔わせる甘さからこの香りははじまります。

女性の心に忍び込むように、母性を擽るクールな表情と人懐っこい笑顔のギャップほど危険なものはありません。はじまりから終わりまでセクシーです。そして、もっとも魅力的なものとは、すなわち悪魔にいちばん近い存在だという疑念を抱かせる、美しい衝撃が走るはじまりです。

すぐにそんな疑念をあっさりと打ち消すように、息をのむほど美しいバニラとクリーミーなシダーが注ぎ込まれてゆきます。バニラはシナモンとブレンドされクリーミーに、シダーはカルダモンとブレンドされシャープになります。

そして、スモーキーなタバコが、甘さと辛さに翻弄されながらも、クミン、サフラン、ブラックペッパーの力強さに溶け込み、白い歯がきらりとするように〝無敵の笑顔〟を生み出してゆくのです。

ミステリアスなパチョリがすべてをひとまとめにする中で、理性を捨て去り、本能で行動したくなる欲望を掻き立てていくように、誰も抗うことの出来ない力強く濃厚なスモーキースパイシーなバニラの魅力に包まれていくのです。

さあ、後は、ローズとひとつになるだけです。臨戦態勢は整いました。

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ローズ伯爵夫人との重ね付けは絶対禁止!

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公式ストーリーの最後に記載されているローズ公爵夫人の手ほどきとはどういう意味なのでしょうか?ちなみにローズの調香師も同じくクリストフ・レイノーです。二人は表裏一体の香りです。コンバイニングしてみるとどのような香りになってしまうのでしょうか?

皆様。このローズだけは、摘み取ってはいけないローズなのです

実際に、試してみました。ローズは遂に摘み取られ、スパイスと共鳴し合い、とんでもなく官能的な香りとなってしまいました。

それはまるで不倫に没頭してしまい、心の獣を抑えることができずに、SNS上で暗号のようなものを投稿してしまう、女性の心を〝恋に盲目になる少女〟に変えてしまう香りとも言えます。

本当に恐ろしい本能を呼び覚ます香りになるので、淑女の皆様にはこの重ね付けは絶対にお勧めしません。

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香水データ

香水名:ザ ブレイジング ミスター サム(情熱的なアメリカ人、ミスターサム)
原名:Blazing Mister Sam
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリストフ・レイノー
発表年:2018年
対象性別:男性
価格:75ml/45,100円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:カルダモン、シナモン
ミドルノート:クミン、サフラン、ブラックペッパー
ラストノート:バニラ、パチョリ、シダー、タバコ