4ページの記事です。
作品データ
作品名:華麗なる相続人 Bloodline (1979)
監督:テレンス・ヤング
衣装:エンリコ・サバティーニ
出演者:オードリー・ヘプバーン/ベン・ギャザラ/ロミー・シュナイダー/ミシェル・フィリップス
中年女性の魅力は、ドレープの先の足首に宿る。
エリザベス・ルック11 ダークグリーンマント
- ダーク・グリーン・ウールマント、ジバンシィ1978/79AW
- ハイゲージの白のタートルネック、ジバンシィ・ ヌーベル・ブティック1978/79AW
- ブラック・レザーハイヒールパンプス
この作品の最大の価値は、20代から30代にかけて絶世の美を誇ってきた女性が、いかにして40代から50代の女性の魅力を見つけ出していくのか?という点にあります。そういう観点においては、40代から50代において、ジバンシィのファッションに身を包んだオードリーが見れる唯一の作品である本作は、かなりのファッション見地的な価値のある作品です。
そのひとつの答えがこのシーンに秘められています。もう美魔女という言葉は、使うのを止めましょう。ただ純粋に〝円熟期を迎えた女性=40代~50代の女性〟で良いでしょう。そんな女性にとって、最高のエレガンスの表現のひとつが、ドレープの効いたクローズからみえる〝足首の美学〟に目覚めると言うことです。そうなのです。中年女性の美学は、足首の美しさを磨き上げることに集約されるのです。
鮮やかなバーガンディーのシャツドレス
エリザベス・ルック12 バーガンディー・シャツドレス
- デザイナー:ユベール・ド・ジバンシィ
- バーガンディのピークドショルダー・シャツドレス、膝丈、ブラック・ウェイビー・ストライプ&ブラックパイピング、ベルスリーブ
- ブルガリの三連パールネックレス
中年女性のエレガンスは〝赤〟をいかに着こなすかによります。そして、そういった観念を見事にファッションとして昇華させたのが、クリスチャン・ルブタンのレッドソールなのです。それは、わかり易い偽物のレッドソールを履けば、惨めさがより引き立つように、露出過多の売春婦のようなファッションにルブタンを履いたところで、〝ルブタンが泣いている〟履き方をしているだけの話なのです。
赤色から情熱を勝ち取るためには、その激しい色に負けないクールでエレガントな物腰が必要とされるのです。
50歳のウエディング・ドレス
エリザベス・ルック13 ウエディングドレス
- デザイナー:ユベール・ド・ジバンシィ
- 光沢のある水色のウエディングドレス、Vショールカラー
- 同色のピルボックスハットとヴェール、パールが散りばめられている
- 一連のパールネックレスとパールイヤリング
- 白のパンスト
- エクリュカラーのハイヒールパンプス