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オードリー・ヘプバーン

映画の中のオードリー・ヘプバーン・ファッションの全て①<ローマの休日への道>

オードリー・ヘプバーン
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オードリー・ヘプバーンを知らない女性に未来はない

オードリー・ヘプバーン(1929-1993)は、21世紀においても尚、女性にとって〝永遠の憧れ〟です。

それは、たとえ知らずとも現代の女性にとって、彼女のファッションや美容におけるスタイルの多くの部分が、引用されていることからも容易に想像出来ます。

何よりも、オードリーの凄いところは、彼女のことをまったく知らない人に対しても、ひとたびその写真を見てしまうと、崇拝の対象にしてしまうところなのです。

彼女は、トレンドを超越したクラシック音楽やクラシックバレエのような存在です。それは間違いなく「本物の美」であり、(まともな女性ならうんざりしている)インスタで流行を追いかけるミーハー女子たちに、最も欠けている美の概念が彼女には存在します。

真の美とは、他人に対して、「私の美しさに対して〝いいね〟を押して!」という押し付けから生まれる薄っぺらなものではありません。真の美の奥底には、必ず奥ゆかしさが存在します。プロと呼ばれるに値するメイクアップアーティストが、女性をメイクするときに心がけるのは、この奥ゆかしさ=神秘的な部分を必ず、その女性の個性として残すところにあります。

一方で、最近の女性のメイクはどうなっているのでしょうか?その女性の個性を消し去り、白いキャンバスに、同じようなマスクを被せていくことに終始しています(まるでスマホで美顔を作り上げるような感覚)。

個性の喪失から美が生まれたためしはありません。いまではスマホによるデジタル・ファンタジーに生きる〝スマホの国のアリス〟達が世界中に氾濫しています。あなたは、美の本質を、スマホの中に氾濫する〝いいねゾンビ〟から見出すことはできますか?私は到底、奥ゆかしさを喪失した人々から美なぞ見出すことは出来ません。

だからこそ、オードリー・ヘプバーンを知らない女性には未来はないと、断言できます。

1950年代から60年代にかけて、自分自身に対する強烈なコンプレックス(高身長で、痩せっぽちで、平らな胸、大きな足と歯並びの悪さと、何よりもエラの張った顔の輪郭)を胸に秘め、コンプレックスを美へと昇華させた映画女優オードリー・ヘプバーン。彼女が、あらゆる女性にとってタイムレスなのは、その一番有名な写真の美しさにあるのではなく、コンプレックスを、個性的な美を生み出す〝醜いアヒルの子〟として、美しき白鳥へと昇華させたことを教えてくれるところにあるのです。

そんなオードリー・ヘプバーンの映画の中のアイコニック・ファッションを時系列にご紹介していきます。そうすることによって、一人の女性の美には、多くの神秘性が存在することを知っていただけると思います。

その前章とも言える、オードリー・ヘプバーンの生い立ちについては、オードリー・ヘプバーンのすべて【1929-1950】をご覧ください。

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1作目 素晴らしき遺産(1951年)当時22歳


オードリー・ヘプバーンのデビュー作『素晴らしき遺産』でありほんのチョイ役。30分過ぎに登場し、すぐに消えていく煙草売りの娘役です。

オードリーはこのメイド服と共に彗星の如くスクリーンに現れたのでした(ただし日本未公開)。イギリスにおいてこの作品は、1951年の興行収入第四位となるヒット作になりました。


同じ衣装で撮影されたスチール写真。『素晴らしき遺産』のオードリーについての詳細はオードリー・ヘプバーンのすべて【1951】前編をご覧ください。

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2作目 若妻物語(1951年)当時22歳




2作目の出演作『若妻物語』において、オードリーは小さな役柄ですが、ロンドンストライプのクレリックシャツの上に50年代的なスカートスーツで登場します。

どこかリクルート・スーツを着た新卒の女性にも似た若さ溢れる等身大の20代前半の女性美に溢れています。このスーツのシルエットを見ていると、現代のスーツとさほど違わないシルエットにびっくりさせられます。

『若妻物語』のオードリーについての詳細はオードリー・ヘプバーンのすべて【1951】前編をご覧ください。

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3作目 ラベンダー・ヒル・モブ(1951年)当時22歳




アレック・ギネス(『戦場にかける橋』。そして『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービ)の口添えで出演した『ラベンダー・ヒル・モブ』で、チキータという小さな役で出演したオードリー。僅かな出演ですが、その物腰の優雅さは、すでに確立されていました。

『ローマの休日』に出演する前から、オードリーには、特別な何かが備わっていることを感じさせられます。その特別な何かとは、おそらくは「気品」なのでしょう。そして、これこそが、女優に最も大切なものであり、「気品」を生み出すためには、神秘性と奥ゆかしさの二大スパイスが必要であることを私達に教えてくれます。

女性にとって、見せすぎることは、「気品」を喪失させることなのです。

『ラベンダー・ヒル・モブ』のオードリーについての詳細はオードリー・ヘプバーンのすべて【1951】前編をご覧ください。