キサス キサス キサス
原名:Quizas, Quizas, Quizas
種類:オード・パルファム
ブランド:ロエベ
調香師:カルロス・ベナイム、エミリオ・バレロス
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/12,100円、50ml/14,850円、100ml/20,900円
フレグランス史上最高のコマーシャル・フィルム
日本で知る人は少ない名香の中で、〝代えがきかないフレグランス〟として、今なお熱狂的な愛を勝ち取り続けているロエベの香水があります。
2007年に発売されたその香りの名を「キサス キサス キサス」と申します。その名の意味は、男性が問いかけても「たぶん」と含みを持たせてはぐらかす台詞から来ています。
約15年間ロエベの専属調香師をつとめてきたエミリオ・バレロスと、カルロス・ベナイムにより調香されました。
この香りの世界観は、歴史上最高のフレグランス・コマーシャル・フィルムと呼ぶに値するエウへニオ・レクエンコによる動画がすべてを物語っています。キアロスクーロを駆使したその独特な映像美学により、大人の寓話の世界へと引き込んでくれます。
〝恋の駆け引き〟の香り
フレグランス史上はじめてとも言える本格的な〝香りと映像のイルージョン〟にようこそ。この香りは、嗅覚から香りを伝えるのではなく、視覚から香りを伝えようとしたひとつの素敵な企みでした。
肌に乗せる前に〝キサス劇場〟の生み出す世界観に身も心も奪われた後で、さあ「キサス キサス キサス」のメロディとフレーズを頭の中でリフレインしながら、メビウスの輪で作られたボトルを手に取り、振り掛けるのです。
水分を失いつつあったブラックカラントにフレッシュなレモンが振りかけられた瞬間、蒸留するお酒のようにトロりと甘くて酸っぱい〝恋の駆け引き〟がはじまります。でもそれはまだ成熟しきっていない恋のようであり、澱みなく透き通っています。
すぐにブラックカラントが生気を取り戻し、カッシア(シナニッケイ)により、その芳醇さが最大限に解き放たれます。通常、フレッシュ、ジューシー、ピュアな煌きといったイメージを与えてくれるシトラスフルーティーとはまったく真逆の官能的な妖艶さを放ちはじめます。
私を落とせるならどうぞとクスりと悪戯っぽく笑みを浮かべながら、パウダリーなラベンダーハーニーが注ぎ込まれてゆきます。
ブルガリアンローズ、ジャスミン、チューベローズといった花々が、苦いパチョリとムスクによって掻き混ぜられながら、香りは独特な明暗を生み出してゆきます。まるでメビウスの輪のように、香りが奔放に展開しているようでありながら、実はそうではなく繊細さが秘められているところがこの香りの最大の魅力です。
憎めない小悪魔な女性(ひと)。クリーミーなサンダルウッドと、アンバーとマダガスカル産バニラが、決して明るく華やかではないのに、美しくとうっとりするような幻想と官能の世界へと導くように香り立たせてくれます。
それでいて、(夜の闇を呼ぶ)パチョリが、妖艶なこの女性が、どこかで本物の愛を捜し求めているといううちに秘めたる女性の本能を炙り出してゆくのです。
この香りには、シャネルの「ココ マドモアゼル」にシルク・ドゥ・ソレイユの「O(オー)」の世界観を語らせたような神秘的なムードがあります。
香水データ
香水名:キサス キサス キサス
原名:Quizas, Quizas, Quizas
種類:オード・パルファム
ブランド:ロエベ
調香師:カルロス・ベナイム、エミリオ・バレロス
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/12,100円、50ml/14,850円、100ml/20,900円
トップノート:レッドベリー、ブラックカラント、イタリアン・レモン、カッシア
ミドルノート:インディアン・ジャスミン、ブルガリアン・ローズ、チューベローズ
ラストノート:パチョリ、ムスク、ハニー、サンダルウッド、アンバー、マダガスカル産バニラ