ピマン ブルラン(情熱的な唐辛子)
原名:Piment Brulant
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:2002年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/12,000円、100ml/16,000円
チョコレートの歴史の香り
2002年にラルチザンより発売された「情熱のスパイス」三部作のうちのひとつです。
「ピマン ブルラン」とは、フランス語で「燃える唐辛子」の意味です。メキシコ産のレッドペッパーとクリーミーなチョコレートに、バニラ、ムスク、アンバーをブレンドした(決して燃える唐辛子ではない。どちらかというと鷹の爪)オリエンタル・スパイシーの香りはベルトラン・ドゥシュフールにより調香されました。ピーマンをカットしたような香りからはじまるトップノートが特徴的です。
唐辛子を主役にして、激辛と濃厚というイメージではない、フルーティーかつ優しくも甘い香り立ちの中にスパイスを溶け込ませた非常に珍しい香りです。そういう意味においては、媚薬(この香りのイメージはアステカの媚薬である)の条件として、稀有であるという部分を見事にパスしている香りなのです。
そして、チョコレートの歴史を香りにした一面も持ち合わせています。
チョコレート(語源はスペイン語のチョコラテに由来)とは、カカオの実を発酵させ、焙煎し、粉砕することによって作られます。元々は、アステカ民族がカカオの実を磨り潰した液体に、バニラやレッドペッパー(赤唐辛子)を混ぜたショコラトル(xocolatl)という飲料を飲んでいたところから始まります。アステカの王モクテスマ2世(1466-1520)は、彼のハーレムのスタミナ源として、毎日黄金の杯に注いだ、50杯のショコラトルを飲んでいたと伝えられています。
1502年にクリストファー・コロンブスが、ヨーロッパ人としてはじめてカカオの実を発見した後、レッドペッパーを砂糖や牛乳に置き換えたものが、チョコレートとして再生したのでした(スペインの修道士によって世界中に広められる)。
ちなみに、初めてチョコレートを口にした日本人は支倉常長(1571-1622)と言われています。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「グリーン・トップノートにガルバナムの背高の茎を使わず、トマトの茎とトウガラシを用い、「バン ベール」をスケールダウンしたもの。フローラルのハートノートは、最初のひと吹きが過ぎてしまうと、後はあまり興味をひきつける必要がないかもしれないが、決して不快な香りにもならない。できはいい。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ピマン ブルラン(情熱的な唐辛子)
原名:Piment Brulant
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:2002年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/12,000円、100ml/16,000円
トップノート:チリペッパー、ピーマン
ミドルノート:チリペッパー、クローブ
ラストノート:カカオ、ダークチョコレート、トンカビーン、ブルボンバニラ、ムスク、アンバー