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ケンゾー

【ケンゾー】ケンゾー アムール(オリヴィエ・クレスプ/ダフネ・ブジェ)

ケンゾー
©KENZO PARFUMS
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香水データ

香水名:ケンゾー アムール Kenzo Amour オーデコロン
ブランド:ケンゾー KENZO
調香師:オリヴィエ・クレスプ、ダフネ・ブジェ
発表年:2006年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ホワイトティー、ライス
ミドルノート:チェリー・ブロッサム、プルメリア、ヘリオトロープ
ラストノート:ムスク、バニラ、タナカ・ウッド、インセンス

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香水広告フォト&動画

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香水についての解説

★★★★☆ 食べられないバニラ

これほど教科書どおりにトップの意向を反映したデザインは久しぶりだ(1979年発売の「オピウム」以来だろうか)。日本の現代版アールヌーボーといえるような樹脂素材の美しいボトルは、質感や色合いが中身の香水にとてもよく合っている。初めにボトルを見て、それから香りを試すと思わず笑みがこぼれるほど。この香水は薄氷を踏むような思いで完成した。よくないたとえかもしれないが、ラバー無しのブルガリ「ブラック」、あるいはバニラを追加した「ジュ ルビアン」になっていたかもしれない。どちらも将来性がないうえに、多くの調香師の手垢にまみれている。しかし最近、コティの伝統的な4つの香水を極秘で改訂した才能あふれるダフネ・ブジェは、香水作りにおいて成功するのが最もむずかしい道を選び、金を掘りあてた。格調高いバニラ様アンバー。ジュ ルビアンのもつサルチル塩酸の苦味や毒気を抜き、フローラルの爽やかさを抑えた、瞑想を誘う香りだ。実は、「私を食べて」と「食べないで」の間で揺れているどっちつかずな感じこそ、この香水を魅力的にしているのである。― ルカ・トゥリン

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

アジアを旅する西洋人の喜びを香りに託したバニラを炊き立てのライスで包み込んだフローラル・ウッディー・ムスクの香りです。

ダフネ・ブジェが主導権を持ち、オリヴィエ・クレスプと共に調香されたこの香りは、ダフネがインドネシアを旅したときに受けたインスピレーションから創造された香りです。そこには、日本の桜の花、中国白茶、タイ米、インドネシアのバリのプルメリア、ビルマ産タナカ・ウッドといったアジア各所の香料が散りばめられています。

西洋人から見た東洋美女の神秘性をテーマに生み出されたボトル・デザインは、エジプト出身のプロダクト・デザイナーのカリム・ラシッドによるものです(コンスタンティン・ブランクーシのデザインの影響を受けている)。容量によって三種類のボトルカラー(30mlがフューシャ色、50mlが白色、100mlがオレンジ色)に変わります。

キャンペーン・モデルは、後に『007 慰めの報酬』で、ボンドガールになるオルガ・キュリレンコです。