アリュール シリーズ
Allure 「アリュール」とは、英語で「魅力、性的魅力」を意味するのですが、フランス語ではニュアンスが少し変わり「容貌、見せかけ、物腰」を意味します。
世紀末の1996年に生み出されたこの香りによってシャネルは、〝カメレオンのように常に変身する女性の魔性の力〟こそが、21世紀の女性の魅力であると予見したのでした。
シャネルの三代目調香師ジャック・ポルジュにより、新たなる女性像の啓示として生み出された「アリュール」は、まさに「変われない女には未来はない」というシャネルイズムを凝縮させた「21世紀に向けての香りによるシャネル宣言」とも言えます。
さらに1999年には、「アリュール オム」というメンズ・ヴァージョンを誕生させることにより、〝男性に対しても、カメレオンのように常に変身する魔性の力〟をシャネルは支持すると表明したのでした。
クロスジェンダー=ノージェンダー時代を予見した「香りをコスプレする」画期的なフレグランス・シリーズそれが「アリュール」なのです。
世紀末、世界中の女性は再びシャネルに〝魅了〟された。

©CHANEL
1978年にジャック・ポルジュがシャネルの三代目調香師に就任し、1982年にカール・ラガーフェルドがクリエイティブ・ディレクターに就任しました。そして1984年に「ココ」が発売されたこの年3月、ラガーフェルドによるシャネルのファースト・コレクション(1984/85秋冬コレクション)が発表され、シャネルはファッション・ブランドとして不死鳥のように蘇りました。
以降、シャネルのブティックはオクラホマから東京まで、
この状況を見たシャネルのCEOであるアリー・コペルマンは、「ロー ドゥ イッセイ」「シーケーワン」といった1990年代の〝つけやすいフレッシュな香り〟の流行に乗り、1996年に女性用の新作フレグランスを発表しました。その名を「アリュール」と申します。
20代後半から30代の女性をターゲットにしたこの香りは、通常シャネルが新作の女性用フレグランスで発表するオード・パルファムからではなく、オード・トワレから発売されました。
それは完全復活したシャネルというブランドの自信を反映した、万華鏡のようなフローラル・フレッシュ・オリエンタルの香りでした。
まいにち、新しい自分を発見する香り

©CHANEL

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この香りには、通常の香りのピラミッド構造は存在しません。身に纏う人それぞれにその人だけのその時の〝魅力〟が反映され香り立つように調香されています。
それはまるで六面にファセット・カットされたダイアモンドの一面に光が当たり輝くように、六つの香りのうちのひとつが、その人の魅力に反映し、優雅なブルボンバニラと絡み合い、シンクロするように香りを放ちます。
アリュール・シリーズは大きく3種類に分類され、今でもリリースされています。
- アリュル(ノーマル・ライン)
- アリュール センシュエル(セクシャル・ライン)
- アリュール オム(メンズ・ライン)
全てのボトル・デザインは、シャネルののアート・ディレクターであるジャック・エリュによりデザインされました。
ちなみに有名人を使うのではなく、〝輝いている一般人を広告塔として起用し、共感を生み出すという広告戦略〟をはじめて採ったことでも画期的でした。
アリュール全9作品
アリュール
アリュール オードゥ トワレット(1996)
アリュール 香水(1996)
アリュール オードゥ パルファム(1999)
アリュール センシュエル
アリュール センシュエル(2005)
アリュール オム
アリュール オム(1999)
アリュール オム スポーツ(2004)
アリュール オム スポーツ コローニユ(2007)
アリュール オム スポーツ オー エクストレム(2012)
アリュール オム エディシオン ブランシュ(2014)