ミス ブシュロン
原名:Miss Boucheron
種類:オード・パルファム
ブランド:ブシュロン
調香師:アン・フリッポ、ドミニク・ロピオン
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:不明
ヴァンドーム広場をはじめて訪れる、乙女の香り。
27のハイジュエリーを扱うブティックが集まるヴァンドーム広場が『ハイジュエリーの聖地』と呼ばれるようになったのは、1893年に、ブシュロンがかの地にブティックを構えてからでした。
以後、1898年にカルティエ、1906年にヴァン・クリーフ&アーペル、1907年にショーメ、1946年にモーブッサンがブティックをオープンしてゆくのでした。ちなみにココ・シャネルが居を構え、オードリー・ヘプバーンの『昼下りの情事』の舞台にもなったホテル・リッツがオープンしたのは、1898年のことでした。
1858年創業のパリのグランサンクに所属するハイジュエリー・ブランド、ブシュロンが最初にフレグランスを発表したのは1988年のことでした。そして、ブシュロンは2000年にグッチ・グループ(現ケリング・グループ)の傘下に入り、以後、香水はYSLボーテから作られることになりました。
YSLボーテの最高責任者であるシャンタル・ルースの指揮の下、はじめて25歳から35歳の若い層をターゲットにした香りを作り上げることになりました。そして2007年に「ミス ブシュロン」が誕生しました。アン・フリッポとドミニク・ロピオンにより調香されました。
シャンパンピックミーアップからはじまるフルーティレザーの香り
エレーナ・メルニクがミューズとなったビジュアル・キャンペーンが、「不思議の国のアリス」の物語に基づいているようにこの香りは、シャンパンピックミーアップ(煌めくザクロのカクテル)が、酸味を効かせ素肌でシュワっと陽気に弾けるようにしてはじまります。
すぐにジューシーでスパイスの効いたザクロに、クリーンなムスクが注ぎ込まれ、無邪気な軽やかさに包み込まれてゆきます。そして華やかでフレッシュなローズとみずみずしくグリーンなシクラメン、パウダリーなヴァイオレットがふんわりと開花してゆきます。
やがて、ドライなシダーとシックなスエードが、フルーティなザクロとひとまとめになり、ブシュロンがイメージさせるラグジュアリー感とは、少し違った、カジュアル感で包み込まれてゆきます。それはまるでシャワーを浴びたばかりの素肌が、艶やかに引き伸ばされたザクロの果汁と温まり合い、フレッシュな余韻で満たしてくれるようです。
ピンク・サファイアとターコイズのカボションをイメージした手榴弾のようなボトル・デザインですが、10mlの詰め替え可能なジュエル・ボトルは、首、手首に着用することが出来、とても魅力的です。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「フェルマーの最短時間の原理を仕事に当てはめてみる。リングを模した「ブシュロン」の美しいボトルを手に取り、色をピンクに、スプレーボタンをターコイズに変え、タイトルの前に「Miss」を加えて、巷にあふれるフルーティ・フローラルの香水と同じ材料でボトルを満たす。ただしコストは1kg18ドル以下に抑えて、醜悪な仕事ぶり。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ミス ブシュロン
原名:Miss Boucheron
種類:オード・パルファム
ブランド:ブシュロン
調香師:アン・フリッポ、ドミニク・ロピオン
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:不明
トップノート:ザクロ、ピンクペッパー、ベルガモット
ミドルノート:シクラメン、ヴァイオレット、ブルガリアン・ローズ
ラストノート:ヴァージニア産シダー、ホワイト・スエード、アイリス、ムスク