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パコ・ラバンヌ

【パコ ラバンヌ】ウルトラヴァイオレット(ジャック・キャヴァリエ)

パコ・ラバンヌ
©PACO RABANNE
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ウルトラヴァイオレット

原名:Ultraviolet
種類:オード・パルファム
ブランド:パコ・ラバンヌ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1999年
対象性別:女性
価格:30ml/6,264円、50ml/8,640円

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20世紀の悪臭が、21世紀の『香り』になる。

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©PACO RABANNE

ディオールで8年間、靴からハンドバッグをデザインしてきた一人の青年が、「新しい素材で武装した戦い」を起こすんだ!と、1966年に自身のメゾンを設立しました。

そして、1966年2月に金属、紙、プラスチックなどを使用した前衛的な「縫うを否定したデザイン」である〝着ることのできない12着のドレス〟を発表したのでした。彼の名をパコ・ラバンヌ(1934-2023)と申します。1968年にプーチ社と契約し、1969年に最初のフレグランス「カランドル」は発売されたのでした。

1999年に発売された「ウルトラヴァイオレット」は、香水部門30周年と世紀末を迎える人類に向けての手向けとして作られました。〝紫外線〟と名づけられた、3つの異なる波動を持つスパイシー・フロリエンタルの香りは、ジャック・キャヴァリエにより調香されました。

丁度、1999年にパコ・ラバンヌは、〝1999年8月11日の午前11時22分に、ロシアの宇宙ステーション・ミールが空から復讐の天使のように降ってきて、光の都パリを破壊する〟と予言し、物議を醸していました。そして、彼はその前後数日間、パリの店舗をクローズしてスタッフ全員に休暇を与えたのでした。

恐ろしいことに、この予言以降、パコ・ラバンヌの香水は、10倍の売り上げを記録することになりました。

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銀河の果てからやって来た、スミレと金木犀の香り

©PACO RABANNE

銀河の果てからやって来たヴァイオレット(スミレ)があなたの肌とファースト・コンタクトするというこの香りの物語は、燃える惑星のようにフルーティなアプリコットとフレッシュなアーモンドに、流星のようなスパイス群(コリアンダーを中心としたペッパー、オレンジペッパー、ピメント)が降り注ぐようにしてはじまります。

すぐに月の砂のようなパウダリーなヴァイオレットが到来します。(クラシカルでもコスメティックでもない)柔らかな甘いヴァイオレットがスパイシーなアプリコットと〝未知なる遭遇〟を果たし、燃えるスパイスを沈火してゆき、浮遊するようなグルマンの星雲へと導いてくれるのです。

そして、オスマンサス(金木犀)が花を咲かせ、アプリコットと結びつき、ピーチのようなきらめきを生み出し、近未来的なレザーとプラスチックとビニールの甘さで覆い尽くしてくれるのです。

やがて、甘やかなローズとジャスミンが祝福するように花を咲かせ、そこにクリーミーなバニラとアンバーが加わり、〝新次元の香りのデジタル体験〟がはじまるのです。それはまるで電子の洪水の中で踊り狂う21世紀のナイトクラブのようです。

ローズウッド、サンダルウッド、シダーのミルキーなウッドが、最初から最後まで香りの背景に、ネオンで照らされるロマンティックなミルキーウェイ(天の川)を生み出しています。

それはまるでコンピューター・グラフィックで作り出されたディズニー映画のような〝夢の国〟の香りのイメージも同時に生み出しているのです。

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21世紀のバーバレラのための香り

『バーバレラ』のジェーン・フォンダ。

21世紀のバーバレラに扮したカーラ・デルヴィーニュ。

1999年のこの香りのテーマは、「近未来の女性=バーバレラ」でした。

そして、時が経ち、ようやく時代がこの香りに追いついたようです。今では完全にデジタル化した現代社会にフィットした、タッチパネルから弾け出したような甘く華やかなオスマンサスとヴァイオレットのマリアージュだと理解することが出来ます。

まるで電子の中の世界に魅了されるように、ふわふわと素肌と心を惹きつけて止まない、ずっと触れ合いたくなる不思議な安心感と官能性があります。

シルバーメタルの流線型のフォルムとパープルの液体のコントラストが素晴らしく、未知の惑星からやって来た物体のようです。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ウルトラヴァイオレット」を「薬草風フルーティ」と呼び、「地獄のバスルームの臭いがする。目をそむけたいほど、強烈にひどい。偽物のグレープのフレーバーのいちばんひどい香りが、人間だか悪魔だかに作り上げられた、最も嘘っぽいスイートアンバーに助長されている。泣きたい。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ウルトラヴァイオレット
原名:Ultraviolet
種類:オード・パルファム
ブランド:パコ・ラバンヌ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:1999年
対象性別:女性
価格:30ml/6,264円、50ml/8,640円


トップノート:アプリコット、コリアンダー、ペッパー、フレッシュアーモンド、オレンジペッパー、ピメント、ブラジリアン・ローズウッド
ミドルノート:ジャスミンサンバック、ジャパニーズオスマンサス、ヴァイオレット、ローズ
ラストノート:アンバー、パチョリ、バニラ、シダー、サンダルウッド