ミュールミュール
原名:Murmure
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァン・クリーフ&アーペル
調香師:アルベルト・モリヤス、ジャック・キャヴァリエ
発表年:2002年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml /7,500円、75ml/10,000円
宝石にささやきを与えるように香りを作る
ヴァン・クリーフ&アーペルが最初にフレグランスを発売したのは1976年の「ファースト」によってでした。この香りを調香したのはジャン=クロード・エレナでした。何よりもこの香りが画期的だったのは、ハイジュエラーが、香水を販売するという流れを生み出したところにありました。
それから数十年の時が経ちヴァン・クリーフ&アーペルはこれといった香りを生み出せずに21世紀を迎えてしまったのでした。そして、ブルガリとエルメスがフレグランスに力を入れるということを知り、先駆者の誇りを示すために生み出されたのが、「ミュールミュール」でした。
ミュールミュールとは、フランス語で〝ささやき〟を意味します。フレッシュ・フローラルの香りはアルベルト・モリヤスとジャック・キャヴァリエという今では考えられないタッグにより調香されました。
花弁のような縦長のフォルムを持つ、ボトルデザインは、フランス人デザイナー、グエナエル・ニコラにより東京に設立されたデザインスタジオ・キュリオシティによるものです。
宝石のささやき、香りのきらめき
宝石で生み出された花々のモチーフを感じさせる、静けさと華やかさを伴うフリージアとホワイトローズの香りからこの香りははじまります。ヴァンクリーフのジュエリーをひとつ身に着けるように、エレガンスが手に入るような予感をさせるはじまりです(マンダリンは最初から最後まで静かにちょこんとフルーツの匂いを漂わせます)。
やがて、透き通るようなグリーンな百合の香りと共に、宝石に生命を与えるように、今からまさに花弁を開かんとする、活き活きとした甘さを放つジャスミン・サンバックとオレンジ・ブロッサムが現れます。
そこに、蜂蜜とバニラが結びついたチューベローズのクリーミーグリーンな甘さが香り全体に温かみを生み出し、肌馴染みを良くしてくれます。一方で、アルデハイドが香り全体に宝石のきらめきのような気品を与えてくれるのです。
そして、ドライダウンにつれ、可憐なる生花が、シダーウッド、ブラジリアン・ローズウッドのスパイシーウッディな温かい余韻に包み込まれるようにしてふんわりと消えてゆくのです。
香水データ
香水名:ミュールミュール
原名:Murmure
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァン・クリーフ&アーペル
調香師:アルベルト・モリヤス、ジャック・キャヴァリエ
発表年:2002年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml /7,500円、75ml/10,000円
トップノート:マンダリン、フリージア、ホワイトローズ
ミドルノート:ジャスミン、百合、オレンジブロッサム、チューベローズ、シナモン
ラストノート:バニラ、シダーウッド、ブラジリアン・ローズウッド