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【ランコム】トレゾァ イン ラブ(ドミニク・ロピオン/ヴェロニク・ ナイバーグ)

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トレゾァ イン ラブ

原名:Tresor In Love
種類:オード・パルファム
ブランド:ランコム
調香師:ドミニク・ロピオン、ヴェロニク・ ナイバーグ
発表年:2010年
対象性別:女性
価格:不明

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20年の時を経て、はじめて恋におちたトレゾァの愛娘

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1935年に、フレグランス・ブランドとして創設したランコムは、1964年にロレアル社に買収され、1978年の「マジー・ノワール」以降、香水の新作を生み出せない中、ランコムの香水帝国の再興の狼煙をあげたのが、1990年に発売された「トレゾァ」でした。ソフィア・グロスマンにより調香されました。

この香りの初代ミューズであるイザベラ・ロッセリーニ(1952-)の娘エレットラ・ロッセリーニ・ヴィーデマン(1983-)をミューズに、マリオ・テスティーノが撮影したキャンペーン広告と共に、20周年を記念して、2010年3月に発売されたフランカーが「トレゾァ イン ラブ」でした。

ドミニク・ロピオンヴェロニク・ ナイバーグにより調香されました。

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育ちの良さを感じさせる、ピーチ×ローズの恋のシャンパン・カクテル

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恋におちたトレゾァ〟は、純粋な愛のエモーションをフレッシュなベルガモットが運んでくる情景からはじまります。すぐに、恋の扉がノックされ、ネクタリンと洋ナシがピンクペッパーと共に、ジューシーで酸味の効いた、めまいがするような〝恋のシャンパン・カクテル〟を生み出してゆくのです。

さらに、剥きたてのピーチが加わり、フルシェイカーでひとまとめに泡立つフルーティーな果蜜が、砂糖漬けされた素肌の上に滑らかに溶け込んでゆきます。そして、ショパンの調べのような清らかな優しさで、咲きはじめの青々しいタイフローズとジャスミンが、初恋のメロディを奏でてゆくのです。

ピーチとローズが恋に落ち、フルーツとフローラルの完璧な調和の中で、しずやかに気品あふれるヴァイオレットが広がっていく、そんなコスメティックな冷たい煌めきが、この初恋の主人公である女性の育ちの良さを感じさせてくれるのです。

「トレゾァ」がオリエンタルが生み出す成熟した女の魅力であるなら、こちらはオリエンタルを排したほのかに酸味漂うフルーティな若い季節に生きる女の魅力を演出してくれます。

やがて、甘い恋の出来事が、大人の女の扉を開けてくれるように、エアリーなムスクとシダーのムーディさが、フレッシュなピーチとローズとひとまとめになり、若い素肌に、ダイヤモンドの煌めきを与えてくれるのです。恋に会い、恋の中に生きる若き女性ほど、美しいものはないということを教えてくれる香りです。

苦い恋をいくつか経験し、女として脂の乗りきっている女性が身にまとうと、「はじめての恋が、最後の恋になる」と信じていた頃の、張りのある心を蘇らせてくれる香りとなります。成熟した女性が、クラシーな若い女性の香りを身にまとうということは、その女性が清楚であれば清楚であるほど、若い蜜蜂を夢中にさせる花の蜜を、(ねっとりとではなく)さっぱりと素肌に満ち広がらせることになるので要注意です。

プロダクト・デザイナーのシャルル・プシケが、2年間の構想期間の末、逆さピラミッドという斬新なボトルデザインを完成させたオリジナルの「トレゾァ」を縦に引き伸ばしたようなボトルデザインも、八頭身美女、もしくはバレリーナの佇まいのようで、ネックにあしらわれた黒薔薇のコサージュと共に、とても素敵です。

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香水データ

香水名:トレゾァ イン ラブ
原名:Tresor In Love
種類:オード・パルファム
ブランド:ランコム
調香師:ドミニク・ロピオン、ヴェロニク・ ナイバーグ
発表年:2010年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:ネクタリン、洋ナシ、ピンクペッパー、ベルガモット
ミドルノート:タイフローズ、ピーチ、ヴァイオレット、ジャスミン
ラストノート:ムスク、ヴァージニア・シダー