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トム・フォード

【トム フォード】トム フォード ノワール(オリビエ・ギロティン)

トム・フォード
©TOM FORD
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トム フォード ノワール

原名:Tom Ford Noir
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:オリビエ・ギロティン
発表年:2012年
対象性別:男性
価格:50ml/22,880円

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「わたしのための香りだ」トムフォード

©TOM FORD

トム フォード フォーメン」(2007)「グレイ ベチバー」(2009)に次ぐトム・フォードの第三のメンズ・フレグランスとして、『シグネチャー コレクション』から、2012年に発売されたこの香りは、トム・フォード自身が「私のもっともパーソナルなフレグランスだ」と言及するほどの自信作です。

本当に「ノワール(黒)?」と、思わせるほどに、様々な香調が登場する「オトコのための香りの参考書」。フレグランスとは何ぞや?を教えてくれる「フレグランス版自由自在」です。

びしっとスリーピースのスーツで決めた男性から漂ってくるミステリアスな色気を表現した香りです。静かに佇むその姿からほんのりと色々な天然香料が、予測不可能な順で漂ってくるという、これ見よがしではない男の魅力を演出してくれるフレグランスです。

そして、この香りのノートを見ると一目瞭然であるようにこの香りは、ゲランの香りを愛してきたトム・フォードによる「アビルージュ」と「ジッキー」とゲルリナーデ賛歌の香りなのです。そんなオリエンタルの香りは、オリビエ・ギロティンにより調香されました。

ジューシーなベルガモットとフレッシュなレモンバーベナが弾け合うようなトップノートに、キャラウェイとピンクペッパーが絡み合い、少し温かさを持ったところで、パウダリーなバイオレットに包み込まれていきます。

やがて、パチョリによって魅力を増したブルガリアン・ローズが、パウダリーなアイリスと見事なコントラストを示します。ジボダン社のプレミアム・マダガスカン・ブラックペッパーとナツメグ、ゼラニウム、クラリセージにより、フローラルの女性らしさをメンズライクに転生していきます。

良い意味で捉えどころのない香りの変化の果てに、ベンゾインとオポポナックスにより甘みを増したアンバーが、香り全体を官能的に包み込んでくれます。

ブルガリアン・ローズが静かな官能性を生み出す隠し味となっているように、ウィメンズ・フレグランスで使用される香料を巧みにブレンドし、最高峰のメンズを演出する香りに転生させているところが、このフレグランスの面白さなのです。

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香水データ

香水名:トム フォード ノワール
原名:Tom Ford Noir
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:オリビエ・ギロティン
発表年:2012年
対象性別:男性
価格:50ml/22,880円


トップノート:イタリアン・ベルガモット、レモンバーベナ、キャラウェイ、ピンクペッパー、バイオレット
ミドルノート:ブラックペッパー、ナツメグ、タスカン・アイリス、エジプト産ゼラニウム、ブルガリアン・ローズ、クラリセージ
ラストノート:オポポナックス、アンバー、インドネシア産パチョリリーフ、ベチバー、シベット、バニラ、エゴノキ属、レザー、ベンゾイン