オキシジェン
原名:Oxygene
種類:オード・パルファム
ブランド:ランバン
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2000年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml/8,500円
ランバン復活前夜の香り
1927年に「アルページュ」という歴史的名香を生み出したランバンが、完全に低迷していた時代に、復活をかけて2000年に生み出された香りです。その名は「オキシジェン」。その意味は「酸素」です。
ファッション・フレグランスの救世主としての地位を着々と築きつつあった、アルベルト・モリヤスにより調香されました。
キャンペーン・モデルとしてジゼル・ブンチェン(1980-)が起用され、大々的な広告キャンペーンも行われました。
氷河の上から、ミルク風呂に一直線!
この香りを一言で表現するなら、氷河の上に佇む美女が、夢から覚めると、快適なミルク風呂の中だったというイメージです。ザ・ロンドン・ウェスト・ハリウッドのようなダウンタウンやサンセットブルーバードを遠景で眺めることが出来るホテルのバスルームだと理想的です。
フレッシュなベルガモットが冷たく弾けながら、ひんやりとスパイシーなインディアン・ホワイトペッパーと涼しげなヒソップが、氷河の上に立っているように身体全体を包み込むようにしてこの香りははじまります。
ちなみにヒソップ(ヤナギハッカ)とは、ミントに似た清涼感のある芳香を放つハーブです。旧約聖書・新約聖書にも登場する薬草です。
そんな透き通るような香りの中から、ペッパーが突出してゆき、フレッシュ・グリーンなみずみずしいガーデニアと、お淑やかにほんのりと甘いローズが花を咲かせてゆきます。そして、パウダリーな気品を放つアイリスがほんのりとアクセントを効かせてゆきます。
何よりもこの香りを特徴づけているのは、フローラルはあくまで主役ではないということです。
夢から目覚める時となりました。全てがミルクに浸され溢れ出します。ここでペッパー・アイリス・ミルクの非常に珍しい組み合わせに、この香水が只者ではない事に気づかされます。大自然から一転して都会的なクールネス(パウダリーかつミルキーでありながら)な香りに転換しているのです。
ドライダウンに向かうにつれ、ガーデニアの代わりに、お淑やかだったローズが、優しい笑顔を見せ、明るく甘い香りを放ちます。
そして、パウダリーなアイリスとクリーミーなサンダルウッドとバニラックなホワイトムスクが、ペッパーの効いたミルキーローズと溶け合い、渾然一体となりミルキーかつソーピィーな余韻を肌の上に残してゆくのです。
クリーミーなサンダルウッドが、アイスランドの氷河を全て溶かし尽くし、ミルクの海に変えてしまいそうなほどに、どんなに冷たい心の中にも温かい心を蘇らせてくれるような香りです。間違いなく、時代の先を行きすぎた香りです。
香水データ
香水名:オキシジェン
原名:Oxygene
種類:オード・パルファム
ブランド:ランバン
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2000年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml/8,500円
トップノート:インディアン・ホワイトペッパー、ベルガモット、ヒソップ
ミドルノート:ガーデニア、ミルク、ローズ
ラストノート:ホワイトムスク、ホワイト・サンダルウッド、アイリス