ミニマルなマイケル・ジャクソンの魅力
「ウィル・ユー・ビー・ゼア」 1993年6月リリース。全米第7位/全英第9位
アルバム『デンジャラス』(プロデューサーはテディー・ライリー)からの第7弾シングル。作詞・作曲はマイケル・ジャクソンです。本作は映画『フリー・ウィリー』(1993)の主題歌です。
静と動の美学。伝説のスーパーボウル・ハーフタイム・ショー
1993年1月31日、スーパーボウル・ハーフタイムショーにマイケル・ジャクソンが登場し、試合以上の視聴率を弾き出しました。この年以降、ハーフタイムショーの有名アーティストの出演が恒例になります。1996年にはダイアナ・ロス、2004年にはジャネット・ジャクソンも出演しています。
マイケル・ジャクソン・ルック26 デンジャラス・ツアー・スタイル
- 1992年~93年のデンジャラス・ワールドツアーにて着用
- ブラック・ウールジャケット。ゴールド・メタルのポリス・シールドが両肩に。右腕にメタル・アームバンド。カラーにもゴールド・メタルの装飾。フロント・ジッパー。右のスリーブだけ短い
- 白の編み革のアームプロテクター
- ゴールドバンドリヤー(弾薬帯)
- 弾薬飾りのゴールドレザーベルト。ベルクロ。
- ブラックパンツ
- 白のソックス
- 黒レザーのペニーローファー
- ティアドロップサングラス
しかし、初代パフォーマーのマイケルに勝るものはありません。静と動。間の取り方。動きの緩急の巧みさ。彼の格好良さはジャネット・ジャクソンの「リズム・ネイション」(1989)に相通ずるものがあります。
ナチスドイツ親衛隊のファッションではありませんが、ミリタリーテイストの生み出すカタルシスから、人間は逃れることは出来ません。そして、このテイストを最初にミュージックに大々的に取り入れた人こそ、マイケル・ジャクソンだったのです。この平和を愛するポップシンガーは、一方では、誰よりもミリタリー・ファッションを愛する人だったのです。
「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」 1996年3月リリース。全米第30位/全英第4位
アルバム『ヒストリー』からの第5弾シングル。作詞・作曲はマイケル・ジャクソンです。ショート・フィルムは「プリズン・バージョン」と「ブラジル・バージョン」の2バージョンあり、どちらもスパイク・リーが監督しました。「ブラジル・バージョン」はブラジルの2か所のファヴェーラ(スラム街)で撮影されました。リオ・デ・ジャネイロのファヴェーラ、ドナ・マルタと、バーイア州サルヴァドールの歴史的な街、ペロウリーニョ でです。
実際にショートフィルムの中で、マイケルがテンションの上がったブラジルのおばさんに抱きつかれ、転びながらも歌い続けるシーンも、そのまま編集なしで使用されています。しかし、マイケル・ジャクソンという人は、どんな曲調を歌っても、様になる人です。