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セルジュ・ルタンス

【セルジュ ルタンス】ラヴィエルジュドゥフェール(鉄の百合)(クリストファー・シェルドレイク)

セルジュ・ルタンス
©Serge Lutens
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ラヴィエルジュドゥフェール(鉄の百合)

原名:La Vierge de Fer
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2013年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,710円、100ml/26,950円

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拷問器具「鉄の処女」の香り?

©Serge Lutens

2018年3月21日に「ブラック&ベージュ コレクション」が「コレクションノワール」に変更され、2013年に生み出された「ラヴィエルジュドゥフェール」も、このコレクションに組み込まれました。

邦題は「鉄の百合」となっているのですが、この香りの本当のフランス語の意味は「鉄の処女」です。これを英語に訳すと「アイアン・メイデン」になります。


それは中世ヨーロッパの拷問器具です。ハンガリーの伯爵夫人バートリ・エルジェーベト(ルタンスは、彼女のことがとてもお気に入りらしい。「テュベルーズクリミネル」も彼女をテーマにした香り)が作らせたという伝説が有名です。聖母マリアの形をした空洞の鉄製の人形の内部には、長い釘が仕掛けられています。

そして、もうひとつこの名前で連想させるのが、80年代のヘヴィメタル・バンド「アイアン・メイデン」です。

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真実は、ジャンヌ・ダルクの香りだった。


洋ナシと冷えた鋼鉄の食器を噛んだような香りからはじまる「鋼鉄の処女」。そこにバラの棘を持った百合が香り立つのです。

鉄の処女とは?実は拷問の道具ではなく、あの鋼鉄の鎧に身を包んだ処女のことを指すのではないだろうか?そう、火あぶりにされたあの英雄ジャンヌ・ダルク(1412-1431)を・・・

そうなのだ!この洋ナシは神の啓示なのだ!そして、鋼鉄の鎧を身に着け、百合(聖母マリア、純潔の象徴)に導かれ、この香りを身にまといし者は、時代を切り開くのです。

この香りは、間違いなく、セルジュ・ルタンスが、10代から20代にかけての処女に向けて捧げた香りなのです。それはその年代の女性の体臭に含まれるオスマンサスやピーチのような香りのラクトンC10と、ピーチやココナッツのような香りのラクトンC11が肌の上でブレンドされ、素晴らしい香り立ちを生み出すのです。

それにしてもこの香りを調香したクリストファー・シェルドレイクという男性は、恐ろしい人です。ルタンスの神の啓示を香りにするという恐ろしいリクエストに対しても、怯まずにこれほどの香りを生み出せるのですから。

「鉄の処女」それは、拷問器具の香りではなく、「オルレアンの乙女」ジャンヌ・ダルクの香りだったのです。

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香水データ

香水名:ラヴィエルジュドゥフェール(鉄の百合)
原名:La Vierge de Fer
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2013年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,710円、100ml/26,950円


シングルノート:百合、メタリックノート、インセンス、洋ナシ、サンダルウッド