梶芽衣子。70年代を代表するファッション・アイコン。

70年代パンツルック。もはやタイムレス・スタイル。

ウエスタン・サファリ・ミックス。カリクロームシューターのようなサングラス。

アニマル柄のファーコートとパンタロン。

同じくファー・レザーコートとパンタロン。

カマキリにも似た和風美女の容姿。

「女囚701号/さそり」のために衣装を調える梶芽衣子と監督の伊藤俊也。


「北斗の拳」のケンシロウばりのセリフの少なさ(2作目においては「アタシを売ったね」と「死んでるよ」の2セリフのみ)。それは梶芽衣子自身のアイデアだったという。静の美学。そして、能面のような美貌。まさにアルティメット・ミニマルな存在美に、梶芽衣子演じるさそりは満ち溢れています。そして、彼女を表現した言葉として実に興味深い言葉が以下の言葉です。
梶芽衣子は百万人のふしあわせな人々の心が作り出した幻であり、だれもがしみじみと身の上話をしてみたくなる女なのである。
寺山修司
「だまされるのは女の罪なんだ」というセリフにも、「怨み節」に共通する<幸薄いオンナ>の滅びの美学が溢れています。セレブも美魔女もクソくらえ!女って、男を一度や二度怨んだ経験がないとまだまだでしょ?と目で語る女になりたい。そんなあなたにこそ相応しい「さそりファッション」を更に次のページで大解剖していきます。


4部作のさそりルックの違い





第一作目 女囚701号/さそり
- 梶芽衣子自身が百貨店でチョイスしたファッション
- ブラック・トレンチコート、エポレット付き
- 黒の女優帽(ガルボハット)
- 黒革の手袋
- ブラック・パンタロン
- ブラック・ハイヒールブーツ





第ニ作目 女囚さそり 第41雑居房
- 銀河鉄道999のメーテル風
- 袖にはファーのついたウールのシングルコート、ロング、パワーショルダー
- かなり大きなベルトのバックル
- 黒革の手袋
- 黒の女優帽(飾りがない)
ラストシーンで、表参道歩道橋に立つ。右手にオリエンタルバザーが見えるが今と街頭の雰囲気はまったく違う。





映画の大半は、セルジオ・レオーネの西部劇に出てきそうなマント風のグレイの布切れを身に纏っています。
