アンサンス ミティック
原名:Encens Mythique
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売
ミステリアスな天然のアンバーグリスの香り
2014年当時ゲランのクリエイティヴ・ディレクターだったシルヴェーヌ・ ドゥラクルトにより生み出された「レ アブソリュ ドリエント(オリエントの決定版) 」は、中東の市場向けに生み出された高級ラインです。
その第五弾の香りとして「ボワ ミステリウー」と共に発表された「アンサンス ミティック」(神話のお香)は、ゲランの五代目調香師ティエリー・ワッサーにより調香されました。
2012年に発売された、ゲランのエクスクルーシブ・フレグランス「レ デゼール ドリオン」コレクション=〝オリエンタルの砂漠〟の3種類のうちの一本である「オンソン ミティック ドリオン」から再調香されたものです。
ティエリー自身により厳選されたニュージーランド産のアンバーグリス(マッコウクジラの腸内に発生する結石。商業捕鯨が禁止になった1986年以降は、希少な香料。7世紀のアラビアから使用がはじまったと考えられている。香りを持続させる効果もある)が使用されています。
以下、この香りは、オリジナルとほぼ変わらない香りなので、「オンソン ミティック ドリオン」の内容を引用します。
アルデハイドにより華やかなダマスクローズに棘が生まれ、ほのかに香るサフランがかすかにグリーンを感じさせるトップノートからはじまります。
やがて香りは、神の啓示であるかのように、天空から降り注がれる黄金のフランキンセンス・シャワーに満たされます。何よりも素晴らしいのはこのシャワーの背景で奏でられるベチバーとパチョリの土と木のシンフォニーです。
実に恐ろしい表現になるのですが、ドライダウンにかけて、天然のアンバーグリスに想像を絶する大量のホワイトムスクが溶け合い、そこにフランキンセンスが交わっていくのですが、それはもはや香りの領域を飛び越え、「私は神の子である」と神の恩恵を一身に感じるような、善悪の甘さが広がる彼岸の領域に到達します。
ドライダウンこそが、この香りの〝至福のひと時〟です。アルデハイドとローズ、パチョリによるソーピィーな一面が出る場合もあれば、フランキンセンスとアンバーグリスによるスモーキーな一面が出る場合もあるという多面性に満ちています。
ゲランは、恐ろしいものを作ってしまったとしか言いようがありません。香りが作る迷宮です。そして、もしあなたが本物のアンバーグリスというものが生み出す香りの力を感じたいのなら、この香りこそ最も相応しいものです。
香水データ
香水名:アンサンス ミティック
原名:Encens Mythique
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ティエリー・ワッサー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売
トップノート:ローズ、アルデハイド、サフラン
ミドルノート:ベチバー、ピンクペッパー、パチョリ
ラストノート:アンバーグリス、オリバナム、ウッディノート