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セルジュ・ルタンス

【セルジュ ルタンス】バテムデュフー(炎の洗礼)(クリストファー・シェルドレイク)

セルジュ・ルタンス
©Serge Lutens
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バテムデュフー(炎の洗礼)

原名:Bapteme du feu
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/14,300円、100ml/22,000円

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あなたを貫く銃弾の香り

©Serge Lutens

それは、生き残るために避けられない儀式。絶望が導く官能。弾丸の香り、土埃の匂い、ジンジャーブレッドの甘さが複雑に混じり合う。誘惑されるまま撃ち抜いたのは自らの恐怖だったのか。

公式ホームページより

セルジュ・ルタンスの「コレクションノワール」より、2016年に発売されたオリエンタル・パウダリーな香りです。クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。


香りのイメージは、まさに『野獣死すべし』(1980)の松田優作小林麻美でしょうか。赤いドレスの絶世の美女と拳銃を撃った後の野獣のこの世界観こそこの香りのイメージそのものです。そして、この香りは、21世紀というよりも、明らかに20世紀的です。

セルジュ・ルタンスというブランドにとって、香水は男と女のラブゲームではないのです。それは男(もしくは女)が女(もしくは男)を殺すときの香りなのです。つまりは善と悪の境界線をたどる香りであり、「炎の洗礼」なのです。香りの素晴らしさとは、現実では許されないことを、表現できるところにあります。

「初めて戦場へ立つ、最初に体験する実戦」という意味を持つ「バテムデュフー」は、ある意味、通常のコスメ・ブランドのフレグランスを使用していた人々に対する洗礼の意味も持つ香りです。

焦がしたマンダリンの皮とシナモンとジンジャーブレッドの芳醇な香りからはじまります。そして、戦慄のアンブロキシドによって生み出されたガンパウダー=火薬の香りが香り全体に漂います。さぁ、「銃弾は撃ち込まれた!」。さて何がこの後起こったのでしょうか?この香りの醍醐味はここから始まります。

文学小説や映画、オペラに道徳を求めても意味がないように、香りにも道徳は必要ないものなのです。モテ香水に夢中になっていたあの頃にはもう戻ることが出来ない香りです。そうです。撃たれたのは、あなただったのです。この香りは、あなたを貫く銃弾の香りなのです。

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香水データ

香水名:バテムデュフー(炎の洗礼)
原名:Bapteme du feu
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/14,300円、100ml/22,000円


シングルノート:ジンジャー・ブレッド、クローブ、ガンパウダー、焦がしたマンダリンの皮、カストリウム、オスマンサス