ティファニーのネックレス
ティファニー製の30カラットのダイヤモンドが5つついた2億5000万ドル相当のネックレスが、この撮影のために提供されました。
クレリックシャツにこだわる男
ウィリー・バンク・スタイル6 ストライプのネイビースーツ
- ネイビーのストライプ・スーツ、ノッチラペル、シングル、2つボタン
- クレリックシャツ、ブルーのロンドンストライプ
- シャイニーピンクのネクタイ
- ローズ・ゴールドのロレックス・プリンス
- ドルチェ&ガッバーナ1104 眼鏡
襟抜けしたタキシードを着るウィリー・バンク
ウィリー・バンク・スタイル7 タキシード
- オーバーサイズなタキシード、ピークドラペル、1つのくるみボタン
- ブラック・ボウタイ
- ホワイト・フロントプリーツシャツ
全てはこのシーンに集約されています。そして、ファッションの持つ恐ろしいメッセージが秘められています。
どれだけ、富と権力を掴もうとも、彼には、襟抜けしたファッションを指摘してくれる友も部下も存在しないということです。恐らく、彼はこういう無様な装いで、頂点に登りつめてきたのでしょう。逆に言うならば、我が道を行く姿勢だったからこそ、頂点に登りつめれたのかもしれません。しかし、明らかに人生の本来の意味を見失ってしまっています。
ファッションは、人間を映し出す鏡です。それは、人間だけでなく、ファッションを提供するブランド側にも当て嵌まります。歴史と伝統の上に胡坐をかき、全く異質なものをブランドに投入していくことは、短期的な成功を生むことこそあれ、結果的にはブランド力を最短速度で貶める結果にもなりかねないのです。これはストリート・ファッションにのっかかる節操のないラグジュアリー・ブランドの姿勢全般に言えることです。特にダッドスニーカーに関して顕著であり、失笑しか生み出せないほどに、2018年のラグジュアリー・ファッションは、エセ・ストリート・テイストに支配され、ヒップホップ・セレブにしか着れない様なデザインを、一般人に売らなければいけない状況を生み出しているのです。