すずらん2020
原名:Suzuran2020
種類:オード・パルファム
ブランド:武蔵野ワークス
調香師:不明
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:4ml/790円、25ml/3,900円
公式ホームページ:武蔵野ワークス
鈴蘭=君影草、日本女性のための香り
1996年に創業された日本の香水ブランド「武蔵野ワークス」様のブランドの説明文を拝読し、一瞬にしてその世界観に親近感を感じました。それは〝武蔵野ワークスとは?〟の下にさりげなく書かれたこの一文(世界ブランドになることはないでしょう)によってです。
日本の風土に合った香水を創造するという明確なコンセプトで生み出された武蔵野ワークス様の香りは、日本人に寄り添う〝強すぎない、主張しすぎない、一歩引いた〟香りとなっています。
それはどこか日本女性の独特な強さを体現した香りとも言えます。
頭を下げるから弱いのではなく、頭を下げるから強いのです。
強さがあったからこそ尽くすことができた。その美徳というものを、どの時代でも認識してさえすればいいと思うのです。女性がしっかりしていた時代には、男性にも英雄が出ていました。男性を作ったのは女性だったのだといってもいいのではないでしょうか。
バルテュス夫人節子
2001年から発売されていた「すずらん」は、武蔵野ワークス様の中でもヒット作の一品でした。ところが、一部原料が入手できなくなり、2019年に廃盤となり、当初は、2019年中にリニューアルして発売される予定でした。
しかし、人気の高かったオリジナルの「すずらん」を愛してくださった人々にも満足して頂ける新「すずらん」を生み出すために、2年の歳月を費やすことになりました。
かくして生み出されたのがこの「すずらん2020」です(そのために世界中から香料を手配し、社外調香師にも一旦調香を依頼したという。最終的には社内調香師により調香されました)。
生活に寄り添ってくれる、白い鈴の音の香り
欧米ブランドがお好きな方には、当社香水は、すずらんに限らず、あまりオススメしないと前向きに発信するようにしている。
武蔵野ワークス様HPより(本音全開の商品説明は、拝読していて、小気味よいです)
春が来て、風が吹き、草原は波かとうねり、日陰に咲くスズランは真珠かと照り栄ゆる。それがこの香りの情景です。〝幸せを運ぶ白い花〟というテーマに忠実に、草原の煌きの中から、ただただ真っ直ぐに心に向かって飛び込んでくるスズランの香りがそこにあります。
キリっと凛としたスズランの存在をはっきりと感じることが出来ます。ゆっくりと活き活きと新鮮なスズランが、太陽に愛され、甘やかになってゆく。そして、肌と一体化する中、洗い立ての石鹸のようなフレッシュな余韻で包み込んでくれるのです。
ブランド側も表明しているように、〝きわめて普通のスズランの香り〟なのでしょうが、私には、この価格帯で、肌の上から白い鈴の音が聞こえてくるような余韻が素敵な〝普通のスズラン〟を身にまとうことが出来るという事は、とても贅沢なことだと感じます。
創作料理ではなく、素材の良さを生かした料理のようなスズランの香りです。色々なスズランの香水を愛している人にとっては、感覚をニュートラルに戻してくれる香りになることでしょう。
この香りをシャワーを浴びた後、さっと身に振りかけた2時間後に、エルメスの「ミュゲ ポースレン」を振りかけてみたところ、その素晴らしさを全身で再認識することが出来ました。
香水データ
香水名:すずらん2020
原名:Suzuran2020
種類:オード・パルファム
ブランド:武蔵野ワークス
調香師:不明
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:4ml/790円、25ml/3,900円
公式ホームページ:武蔵野ワークス
トップノート:グリーンノート
ミドルノート:スズラン、ジャスミン、イランイラン
ラストノート:ムスク