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作品データ
作品名:陽のあたる場所 A Place in the Sun (1951)
監督:ジョージ・スティーヴンス
衣装:イーディス・ヘッド
出演者:エリザベス・テイラー/モンゴメリー・クリフト/シェリー・ウィンタース
ファッションとは欠点を長所に変える魔法
私は私の声が嫌いです。見た目も大嫌い。仕草も大嫌い。演技スタイルも大嫌い。つまり、私が一番嫌いな人間は私なんです。
エリザベス・テイラー
よくこういう言い方をする方がいます。「あの人はルックスもいいし、スタイルもいいので何を着ても似合う」と。しかし、現実は、欠点のない裸体など存在しないのと同じように、人間の肉体とは、どこかで釣り合いの取れない部分が生まれてきます。そして、それがまた不完全な美を生み出すものです。
エリザベス・テイラーは、自分のスタイルにずっとコンプレックスを持っていました。背は157cmと、ハリウッドにおいては極めて低く、浅黒い肌も彼女にとってコンプレックスでした。手足のバランスも悪く、太りやすい体質も彼女にとってのコンプレックスであり、そういった部分をイーディス・ヘッドがデザインしたドレスは、見事に長所に変えたのでした。
「初めてそれらを忘れさせてくれた」とリズが感謝するほどに、彼女にフィットしたデザインだったのです。そして、イーディスは本作により、第24回アカデミー衣装デザイン賞(白黒)を受賞することになります(8つの受賞のうちの4番目)。
エリザベス・テイラー・ルック3 ブラックドレス
- ベルベットの黒のロングドレス。ストラップレス。白いイギリス刺繍の縁取りをバスト周辺に。パールビーズ。ウエストの絞り。バストをリボンバンドで覆う。スカートはフレアに
- 白ミンクのケープ
- 黒のロンググローブ
- 一連の小ぶりなパールネックレス
エリザベス・テイラー・ルック4 リゾートドレス
- キャップスリーブのシャツドレス。トライアングルカラー。ディオールのニュールック的。ベルト付き。膝丈。サーキュラースカート
- 白のストラップ付きサンダル
エリザベス・テイラー・ルック5 エンゼルフィッシュガウン
- 白のウールのガウン。エンゼルフィッシュのデザイン
- レースアップハイヒールサンダル
- 黒のワンピース水着
エリザベス・テイラー・ルック6 アリアーヌ巻き
- ホワイトオーガンジーでおおわれたウールのコート
- シフォンをアリアーヌ巻き