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【ディプティック】オード リエル(ファブリス・ペルグラン)

ディプティック
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オード リエル

原名:Eau de Lierre
種類:オード・トワレ
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/23,100円
公式ホームページ:ディプティック

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非常に珍しいツタの香り

ディオニューソスの微笑から生まれた出たのがオリンポスの神々であり、ディオニューソスの涙から生まれたのが人間である。

『悲劇の誕生』フリードリヒ・ニーチェ

2006年にディプティックより発売された「オード リエル」は、リエル(ツタ)という非常に珍しいテーマによって生み出されたグリーン・フレグランスです。ファブリス・ペルグランにより調香されました。

創業者の一人であり紅一点のクリスチャンヌ・モンタドル=ゴトロが生まれ育った、ノルマンディーのバルフルール村の自宅の家の池に面した壁に生えていたツタへのオマージュとして生み出された香りです。

ディオニューソス(バッカス)とアポロンは、ギリシャ神話における全知全能の王ゼウスを父に持つ腹違いの兄弟です。太陽神アポロンは、美青年の象徴であり、合理的な思考と秩序の神であり、芸術の神です。一方、ディオニューソスは、非合理性と混沌の神であり、豊穣と葡萄酒と酩酊の神です。そして、アポロンは月桂樹の冠をかぶり、ディオニューソスは葡萄の冠をかぶっています。

そんなディオニューソスの精神を象徴する葡萄のなかまであるリエル(ツタ)をテーマに生み出されたこの香りは、実際にツタからは香りを抽出できないため、その葉と枝のグリーンアコードを人工的に作り出しています。

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苦いグリーンノートが呼び覚ます植物の吐息。


軽やかでエアリーな苦味のあるグリーンの芳香に、フレッシュなピンクペッパーが注ぎ込まれるようにしてこの香りははじまります。そよ風に乗ってやって来る植物の吐息のようです。そこにハーバルなゼラニウムがアクセントとして加えられており、ガルバナムと共にメタリックなグリーンの余韻を生み出してゆきます。

やがて、グリーンは減退し、ツタの葉と枝を伝って流れ落ちる水滴のようなウォータリーな感覚に包まれながら、日陰の森にある小川の傍にひっそりと存在するシクラメンとフリージアの花の絨毯が儚く甘く香ります。空気のように甘いフローラルノートがそこにはあります。

そして、湿った土の香りを含んだ削り立てのローズウッドが加わり、ミルキーなムスクと潮っけのあるアンバーグリス・アコード(素肌の香り)が、雨上がりの涼しげな木立の中に存在するツタだらけの建物の傍を歩いているような気分を生み出してくれます。

もしくは朝露を含んだ刈り上げられたばかりの芝生の上を裸足で歩いているようなリッチな気分になります。この香りがなぜかノスタルジックな空気を運んでくれるのは、クリーンな植物の香りというよりも、どこか植物の生命を感じさせる生臭さが存在するからかもしれません。

ごく自然に、植物を観察する気分になることが出来た、夏休みの早朝のラジオ体操の帰り道を想い出させる、過ぎ去った日々の苦さと甘さをグリーンノートで呼び覚ましてくれる爽やかな香りです。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「オードリエル」を「ジンの水割り」と呼び、「くたびれた葉っぱのグリーン。香りを楽しむんじゃなくて、香水をつけるのを楽しみたい人向け。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:オード リエル
原名:Eau de Lierre
種類:オード・トワレ
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2006年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/23,100円
公式ホームページ:ディプティック


シングルノート:アイビー、シクラメン、ムスク、ゼラニウム、ブラジリアン・ローズウッド、アンバーグリス、ガルバナム、ピンクペッパー