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ゲラン

【ゲラン】ジェディ(ジャック・ゲラン)

ゲラン
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ジェディ

原名:Djedi
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲラン
発表年:1926年
対象性別:女性
価格:不明

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ツタンカーメン王の香り

ツタンカーメンの黄金のマスク、1925年。

ツタンカーメン王の石碑を調査するハワード・カーター、1925年。

1922年11月4日に、エジプト・ルクソールの王家の谷で、カーナヴォン卿の資金援助により発掘調査中の考古学者ハワード・カーターが、ツタンカーメン王(紀元前1342年頃 – 紀元前1324年頃、古代エジプト第18王朝のファラオ)の墓を発見、発掘しました。

その翌年4月5日にカーナヴォン卿が高熱で急死したことにより、「ファラオの呪い」という都市伝説が生まれ、ツタンカーメンの名は瞬く間に世界中に知れ渡りました。

そんな空前のエジプト・ブームの中、三代目調香師ジャック・ゲランが生み出したのがゲランの創設100周年を記念して調香された「ジェディ」という名のシプレの香りでした。この香りの名の意味は、古代エジプト(紀元前26世紀)の第4王朝を統治したクフ王の魔術師の名でした。この男には死者を蘇らせる能力もあったと言われています。

ゲラン史上「幻の香り」のひとつであり、ブランド初のレザーの香りでした。更に言うと、フレグランス史上はじめて大量のベチバーを女性用香水に使用した香りでした。

しかし、この香りの最もジャック・ゲランらしい所は、ハワード・カーターがツタンカーメン王の石棺を開封した時、黄金の棺の上に置かれていた一輪の花の逸話からインスパイアされた所にあります。

この一輪の花は、3300年ぶりに外気に触れ、形を崩していくのですが、恐らく少年王の妻である王妃が置いたのであろうその花に対する切ない思いが、王を取り囲むあらゆる黄金よりも輝いて見えたとハワードは述懐し、ジャックの心を打ったのでした。

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3300年ぶりに姿を現し、消えていった花の香り

©GUERLAIN

全ての香りの中で最もドライな香り

ロジャ・ダブ

驚異的なアニマリック・ベチバー

ルカ・トゥリン

アルデハイドとスズランという奇妙な組み合わせに、ベルガモットがガソリンのような役割を果たしはじまるこの香りのトップノートは、シベットとベチバーの壮絶とも言える絨毯爆撃を受け、さらにサンダルウッドとレザーのクリーミーさに包まれていく神秘性という言葉を遥かに超えた未知の領域とも言える香り立ちからはじまります。

そこに、華やかなローズではない、実に不思議なローズの香りが表れます。このローズこそが、ツタンカーメンの棺に置かれていたという一輪の花をイメージしたものなのでしょう。このローズに、アイリス、ジャスミンが絡み合い〝不死のフローラル・ブーケ〟を奏でていきます(生気を感じさせない花々の香り)。そして、このフローラルはムスキーなレザーと見事な調和を見せます。

それにしてもこの香りは本当にレザーの香りなのでしょうか?それとも樹脂をたっぷりと含んだ包帯越しの腐敗しているミイラの香りなのでしょうか?

ジョルジュ・シュヴァリエによってデザインされ、バカラが製作したアール・デコ調のボトル・デザインは黄金の棺に似たデザインです。そして、この香りは1950年代に廃盤になりました。

1996年に70周年記念として1000本限定だけ再販されたのですが、僅か一週間で完売しました。

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香水データ

香水名:ジェディ
原名:Djedi
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲラン
発表年:1926年
対象性別:女性
価格:不明


シングルノート:ベルガモット、アルデハイド、ベチバー、ムスク、パチョリ、オークモス、シベット、スズラン、ジャスミン、アイリス、ローズ、レザー、アンバー、サンダルウッド