吊り上げられる眉とバストライン
『哀愁』を見て宝塚時代に私は、ヴィヴィアン・リーの写真を鏡や額に飾り、崇める様になりました。そして、ロンドンで『十二夜』の舞台を見たとき、白鳥が湖面をすべるようにすっとしなやかに歩いているその姿に、こんなに美しく歩く人がいるのかとうっとりしてしまいました。
八千草薫
ヴィヴィアン・リー(1913-1967)の撮影は1939年1月26日より、オープニング・シーンから始まりました。しかし、僅か20日でジョージ・キューカー監督が降板させられました。
そして、『オズの魔法使』からヴィクター・フレミングがやってきました。19世紀の衣裳は胸の谷間を強調するものが多かったので、フレミングは衣裳デザイナーのウォルター・プランケットに「もっと胸の谷間を見せろ!」とどなりつけました。
ヴィヴィアンはハト胸なので、バストが盛り上がらなかったため、バストを両側から押し付けて、テープでとめて前に突き出させ、上を向かせて、谷間がはっきり見えるように工夫しました。更にバストの脇にパットを入れて盛り上げました。
スカーレット・オハラのファッション22
グリーンルームガウン
- グリーンベルベットガウン。金刺繍入り
スカーレット・オハラのファッション23
ストライプドレス
- 白と黒のストライプドレス、中にペールピンクのスカート(ペチコート)。襟と袖に半透明のホースヘア、首元に黒リボン
- キャプリーヌも同じ柄
スカーレット・オハラのファッション24
ブルージャケット×ホワイトドレス
- ホワイト・スリムドレス
- ブルーベルベットのジャケット、白のホースヘアの立ち襟付き、ラッフルカフス
- 白地にスパンコールのヘッドドレス、パールブローチ
- 水色のボーダーアンブレラ
スカーレット・オハラのファッション25
ワインレッドベルベットドレス
- ワインレッド・ボールガウンドレス、シルクベルヴェット、肩にふさふさのオーストリッチの羽根、デコルテ強調、たくさんのグラス・ティアドロップビーズ
- 同色の天女のようなケープ
- 同色のロンググローブ
作品データ
作品名:風と共に去りぬ Gone with the Wind (1939)
監督:ヴィクター・フレミング
衣装:ウォルター・プランケット
出演者:ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブル/オリヴィア・デ・ハヴィランド/レスリー・ハワード
- 【風と共に去りぬ】スカーレット・オハラという女の一生
- 『風と共に去りぬ』Vol.1|ヴィヴィアン・リーとスカーレット・オハラ
- 『風と共に去りぬ』Vol.2|スカーレット・オハラ役のオーディション
- 『風と共に去りぬ』Vol.3|スカーレットのウエディングドレスと喪服
- 『風と共に去りぬ』Vol.4|スカーレットの夕陽の中での下剋上宣言
- 『風と共に去りぬ』Vol.5|コロンを飲むヴィヴィアン・リー
- 『風と共に去りぬ』Vol.6|ヴィヴィアン・リーとウォルター・プランケット
- 『風と共に去りぬ』Vol.7|スカーレットの伝説のワインレッドガウン
- 『風と共に去りぬ』Vol.8|アカデミー主演女優賞を獲得したヴィヴィアン・リー
- 『風と共に去りぬ』Vol.9|オリヴィア・デ・ハヴィランドという天使
- 『風と共に去りぬ』Vol.10|オリヴィア・デ・ハヴィランドとアカデミー賞