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アニック・グタール

【グタール】トゥニュ ドゥ ソワレ(カミーユ・グタール/マチュー・ナルダン)

アニック・グタール
©Goutal Paris
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トゥニュ ドゥ ソワレ

原名:Tenue de Soiree
種類:オード・パルファム
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、マチュー・ナルダン
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/23,760円、100ml/33,330
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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イブニングドレスという名の、モダンシプレ。

©Goutal Paris

2016年10月(日本発売は2017年1月25日)にグタールより発売された「トゥニュ ドゥ ソワレ」は、華やかなパリの夜をテーマにしたフレグランス・コレクション「オワゾー ドゥ ニュイ」(夜遊び人)の第一弾の香りです(2022年よりコレクション名は「レ パルファン ドゥ ジェラルディーヌ」に変更された)。

カミーユ・グタールとロベルテのマチュー・ナルダンにより調香されました。

「トゥニュ ドゥ ソワレ」とは、フランス語で〝イブニングドレス〟の意味です。パリの夜のパーティで、ドレスアップして外出する時の高揚感をイメージしたグルマンシプレの香りです。

フレッシュなシトラスではじまり、ラストからもわっと立ち昇る重く穏やかに心地よいオークモスのコントラストが特徴である伝統的なシプレを、新しく解釈したモダンシプレです(その源流は恐らくナルシソ・ロドリゲスの「ナルシソ ロドリゲス フォー ハー」)。

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或る女性の魅力を最大限にまで演出してくれるグルマンアイリスの香り



パリの夜のパーティの鉄則それは、カップルで出かけないこと。つまり皆ひとりでパーティに現れ、カップルで去ってゆくのです。だからこそ、パリの夜のパーティは、新鮮な輝きに満ちているのです。

そんな新しい出会いへの期待感と緊張感を伝えるように、酸味がピリリと効いたベルガモットとジューシーなブラックカラントがスパークリングするようにしてこの香りははじまります。安心感よりも刺激が欲しい、そんな心を満たしてくれるはじまりです。

すぐに到来するクリーミーなアイリスがパウダリックにブラック・カラントを包み込み、さらにパチョリがフルーティさを浮遊させてゆきます。それはまさにパーティに向けて身支度をする時のリップスティックやパウダーの匂いを連想させ、否応なしに心が高揚する〝至福のひととき〟のようです。さらに、さりげなく同伴するローズとジャスミンの優しさが心を打ちます。

何よりも、この香りが素晴らしいのは、フルーツとパチョリが組み合わさり生み出される甘ったるいキャンディのような若々しさではなく、華やかさと心地よさを併せ持つことにより、大人の女性の胸のときめきを見事に表現しているところにあります。

やがて、温かみのあるホワイトムスクが、キャラメル(プラリネ)とレザーを溶かしてゆき肌の上に滑らかに広がってゆくのです。新しい出会いに心ときめかせながら、そんな内面をおくびにも出さないミステリアスな女性を演じるおまじないのような香りです。

何よりもスパイシーなパチョリが最後まで秘められた獣心を、イブニングドレスのスリットの間から覗く白い美脚のような魔性の輝きを生み出しているのです。その名の示すとおり、或る女性の魅力を最大限にまで演出してくれる香りです。

見た瞬間心がときめくボトルデザインは、まるでドレスアップした女性の全身像のようです。パリの夕暮れ時の空を表現したバーガンディカラーのグラデーションに彩られたガラスボトルと、そのボトルネックのアンティーク調のパウダーパフを想わせるフワフワのポンポンが、明るく魅惑的な女性をイメージさせます。

さらに、グタールのロゴマークが刻まれたゴールドのメダルチャームがあしらわれ、ボトルに触れた時に響く音は、まるでシャンパングラスを重ね合せる今宵限りのアバンチュールを約束する音色のようです。

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香水データ

香水名:トゥニュ ドゥ ソワレ
原名:Tenue de Soiree
種類:オード・パルファム
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、マチュー・ナルダン
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/23,760円、100ml/33,330
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:ブラックカラント、ベルガモット
ミドルノート:アイリス、ローズ、ジャスミン
ラストノート:パチョリ、キャラメル、レザー、ホワイトムスク