スール ラ ルート
原名:Sur la Route
種類:オード・パルファム
ブランド:ルイ・ヴィトン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2018年
対象性別:男性
価格:100ml/45,100円
公式ホームページ:ルイ・ヴィトン
イタリアの太陽に愛されながら〝香りのヒッチハイク〟
私はいつもコントラストに基づいた香水を作りたいと思っているので、酸味の効いたシトロンの精油とペルーバルサムの精油を混ぜることにしました。後者はバニラ、スパイス、レザーのノートを持つ、深みのある強烈な香りです。
ジャック・キャヴァリエ
2016年9月に、ルイ・ヴィトンが、70年ぶりに一挙、7種類のフレグランスを発売しました。「レ パルファン ルイ ヴィトン」と銘打たれたこのコレクションの全ての香りは、ルイ・ヴィトンの専属調香師であるジャック・キャヴァリエにより調香されました。
そして、2018年2月に第八弾の香り「ルジュール スレーヴ」が発売されました。さらに続いて5月31日に発売されたのが、ブランド初のメンズ・フレグランス・コレクション「レ パルファン ルイ ヴィトン フォーメン」でした。
コレクションを形成する5種類の香りのうちのひとつが「スール ラ ルート」です。「スール ラ ルート」とはフランス語で「オン・ザ・ロード=路上にて」という意味です。
ちなみに1957年に発表され、ビートニクのバイブルとして世界中にセンセーションを巻き起こしたジャック・ケルアックの小説『オン・ザ・ロード』もフランス語題は「スール ラ ルート」となります。
目的地を定めて旅に出るだけでなく、目的地なく旅に出るという行動も、時には予想外の出会いと夢を叶えてくれるという〝香りのヒッチハイク〟をめざし生み出されたシトラス・アロマティックな香りです。
ジャック・キャヴァリエの大冒険
これは、私が毎年行う、イタリアへの旅に敬意を表した香りです。
カラブリアの海から吹く風は魔法のようです。ベルガモットの収穫期である2月は、朝から穏やかで、草や木からたくさんの香りが漂っています。
果実の皮を押すと、果汁が表面に出てきて、それが空気中の他の匂いと合わさった瞬間、私はまるで素晴らしい絵画の前に佇んでいるような気分になりました。
ジャック・キャヴァリエ
絶対に立ち止まらない香り。ジャック・キャヴァリエがカラブリア地方で感じた、肌の上をフルスピードで吹き抜ける風から着想を得たというこの香りは、セドラとベルガモットがピリっと苦味を弾かせ合う爽快感からはじまります。ベルガモットがグレープフルーツの側面を浮かび上がらせてゆきます。
すぐに刈り取ったばかりの草のみずみずしさとピンクペッパーのフルーティさも加わり、フレッシュな草原の輝きに包まれてゆきます。
しばらく爽やかな風に身も心も任せ、心地よさに自然と一体化するような開放感を覚える中、だんだんと、ペルーバルサムのミステリアスな甘やかさがシトラスに見事に調和してゆきます。
ちなみにこの香りで使用されているペルーバルサムは、キャヴァリエ自身がエルサルバドルで見つけてきた原料を使用しています。つまりは、調香師自身が旅の果てに見つけ出した香料なのです。
やがて、レザーのスモーキーさがシトラスの酸味と混じり合いながら、ナツメグとパチョリのアクセントに、ヘディオンがきらめきを与えてゆきます。そこにペルーバルサムが溶け込んだ瞬間、予想外にフレッシュな魔法のようなドライダウンを迎えるのです。
ちなみにルイ・ヴィトンは1927年に同名のフレグランスを製造しています。今ではボトルさえも現存していない幻のフレグランスです。
クリードの「アバントゥス」とよく比較される香りです。
香水データ
香水名:スール ラ ルート
原名:Sur la Route
種類:オード・パルファム
ブランド:ルイ・ヴィトン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2018年
対象性別:男性
価格:100ml/45,100円
公式ホームページ:ルイ・ヴィトン
トップノート:カラブリア産ベルガモット、セドラ、ピンクペッパー
ミドルノート:ナツメグ、草、ヘディオン
ラストノート:シダー、ペルーバルサム、イソEスーパー、レザー、ホワイトムスク、パチョリ