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【クレ ド ポー ボーテ】ローズシナクティフ(アルベルト・モリヤス)

資生堂
©Shiseido Japan
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ローズシナクティフ

原名:Rose Synactif
種類:オード・パルファム
ブランド:クレ・ド・ポー・ボーテ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2013年→2015年
対象性別:女性
価格:50ml/36,300円
公式サイト:クレ・ド・ポー・ボーテ

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私という存在が香る。スキンパルファム


クレ・ド・ポー・ボーテより、最上級ラインのコスメ「シネルジック」ラインが誕生したのは2004年のことでした。それが2014年11月に、海外の呼称である「シナクティフ」ラインに統一されました(現在、米国、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾、中国で販売)。

そのカタログの一ページ目には、ただこの一行だけ記されています。「浄化から始まる、美しい道。」ここで定義されている浄化とは「肌が持つ、まだ見ぬ美しさの可能性を求めて」とのことです。そして、その一番最後のページに載っているのが、このフレグランスなのです。

私という存在が香る。スキンパルファム」。

恐らく、男性にとって最も近寄りがたいコスメカウンター、それがクレ・ド・ポー・ボーテ。生まれて死ぬまでほぼ確実に縁のない場所。そして、女性にとっても、ある程度の財力が必要とされるコスメブランド。

そんな場所の神々しい位置に置かれているこの香りに触れるだけでも、かなり敷居が高いことと言えます。凡庸な言い方ではありますが、そういう意味でも価値が高いフレグランスなのです。

この香りはもともとは「ローズシネルジック」という名で2013年11月に発売されました。「ローズシネルジック」とは、フランスのバラ育種会社デルバール社と資生堂が共同で11年かけて、2006年に生み出した貴重なバラの新種の名前です(このバラの名は、2014年にローズシナクティフとなる)。

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アルベルト・モリヤスの日本紀行

小津安次郎の名作『秋日和』(1960)。左から岡田茉莉子、原節子、司葉子。

ボトル・デザインからイメージされるのは黒バラです。ダミアン オサリヴァンブノワ・エメリによりデザインされました。花びらがその中で舞っているようなキャップ・デザインが特徴的です。そして、調香は、フィルメニッヒ社の帝王アルベルト・モリヤスにより行われました。

天然のローズエッセンスを配合した日本原産の「ローズシネルジック」は、2015年10月に「ローズシナクティフ」に名を変え販売され、今に至ります。香り自体は全く変わっていません。

ヨーロッパでは見向きもされないほどに、ソフトで繊細な香りです。睡眠の前に身に舞わせると効果的であるという解説が的確な、誰かのためではなく、自分のためだけの香りです。

スキンパルファムであるこの香りは、嗅覚をニュートラルに戻すようなレモングラス、レモンバーベナ、レモンのほのかな刺激からはじまります。すぐに閉じていたバラの蕾が一斉に静かに開花するのです。

バラの花びらが開く中、酔わせるようなジュニパーベリーがこのバラに魔法をかけてゆきます。

やがて、開花したバラの庭園の香りを全身で静かに受け止めるように、柔らかなムスクが全身を包み込んでくれるのです。

あらゆる空間と調和する万能の香りです。間違いなく、就職活動の女性にとっても、40代のパンツスーツの女性にとっても、60代の着物のご婦人にとっても、いいえ、ある意味、50代のスーツを着た男性にとっても、調和する香りかもしれません。

香りに対して敏感な場所にこそ相応しい香り。そんな稀有な香りですが、香りで主張したいときには、とんでもなく役に立たない香りです。

モリヤスは、調香の過程で、小津安二郎の映画の中に登場する日本家屋に佇む洋服を着た婦人を想像していたことでしょう。ローズシネルジック、それは日本女性の奥ゆかしさを体現した香りなのです。

©Shiseido Japan

それにしても11,000円するこのサボンは、危険なくらい中毒性のある素敵な洗顔石鹸です。

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香水データ

香水名:ローズシナクティフ
原名:Rose Synactif
種類:オード・パルファム
ブランド:クレ・ド・ポー・ボーテ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2013年11月
対象性別:女性
価格:50ml/36,300円
公式サイト:クレ・ド・ポー・ボーテ


トップノート:レモングラス、レモンバーベナ、レモン、アニス
ミドルノート:ローズ、ジュニパーベリー、ジャスミン・サンバック、菊
ラストノート:ホワイトウッド、ムスク