モーテル
原名:Mortel
種類:オード・パルファム
ブランド:トゥルドン
調香師:ヤン・ヴァスニエ
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/31,350円
販売代理店ホームページ:ルシアージュ京都
シスタスの永遠の呪い
2017年に、フランス最古の歴史を誇る老舗キャンドルメーカー「シール トゥルドン」が、パフュームライン「トゥルドン」をスタートしました。そして、3人の調香師(リン・ハリス、アントワン・リー、ヤン・ヴァスニエ)により創造された5つの香りが発表されました。
この5つの香りのテーマは、「王朝、宗教、革命」です。それぞれの香りはそのいずれかのテーマに属しているのです。そして、「モーテル」は、「革命」に属する香りとしてヤン・ヴァスニエにより調香されました。
「モーテル」とはフランス語で「死を免れない」という意味です。
この香りは、ブラックペッパー、ミルラ、フランキンセンスの調和により、スモーキーさとは真逆のスパイス・ウッディな〝教会の香り〟を生み出してます。そして、その奥底に秘められたテーマは、「逃れられない誘惑」です。
フランキンセンス、ミルラ、ベンゾインにより、白日の下に曝されるシスタス(ラブダナム)の〝エロティックな呪い〟の心地良さに歓喜する香りなのです。
シスタスとは、日本名をゴジアオイと言います。ほとんど日本では育たず、ヨーロッパの地中海沿岸で育つこの植物には独特な生態があります。それは自然発火し、周りの植物を焼き尽くし、種子を撒き散らし、生息圏を拡大していくという「カマキリ女」のような恐ろしさを持つ白い可憐な花を咲かせる植物なのです。
ピメントとナツメグ、ブラックペッパーの円やかな温かいスパイスからはじまり、フランキンセンスとミルラが、スパイス越しに存在感を増していきます。そして、シスタス(ラブダナム)とベンゾインが香り全体をさらに静謐なる教会の香りにしてくれます(隠し味は、鉄とお香の調和を生み出すジボダン社の化合物ミスティカル)。
フランス革命により、ローマ・カトリック教会の影響力を完膚なきまでに破壊しようとする中で、教会は丸裸にされ、天使の顔をした死神の一面が暴かれた瞬間を体現した香り。毒の香りはとても優しい。
香水データ
香水名:モーテル
原名:Mortel
種類:オード・パルファム
ブランド:トゥルドン
調香師:ヤン・ヴァスニエ
発表年:2017年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/31,350円
販売代理店ホームページ:ルシアージュ京都
トップ・ノート:ブラックペッパー、ピメント、ナツメグ
ミドル・ノート:ソマリア産フランキンセンス
ラスト・ノート:バージニア産シダーウッド、シスタス(ラブダナム)、ミルラ、ベンゾイン